あとぶろ

趣味の感想や思い出を残していきたい(ゲーム・アニメ・漫画が主体)※色々ネタバレ要注意

鬼滅の刃のアニメを全視聴してハマれなかった話

今非常に話題になっている作品「鬼滅の刃」のアニメを、今更ながらアマプラで一括視聴しました。全26話ですね。

 

まずこのブログ記事、タイトルの通り私が同作品にハマれなかった理由や見ていて不満だった場所などを挙げていきます。

そのため、鬼滅の刃という作品が好きな方、特にこの先の文章を「一個人の感想」として見ることができそうにない方は、本記事は読まないことをオススメします。

 

 

 

 

さて、前置きの通りとなりますが、私はこの作品にハマれませんでした。好きじゃないなら黙っていればいいじゃんと言われそうではありますが(キメハラか!?)、まぁ世間と好みがズレてる人間の価値観を眺める機会だと思って読んで頂ければ…

 

私は作品の好みは結構雑食で、日常系もバトル系もSF系も推理系も異世界系もスポーツ系も、どれも気に入るものは気に入るんですよね。

好みに合わなかったものでも、「あ~確かにこれは人気出るのは分かるかな~」って感じることが多いんですが、鬼滅の刃はアニメ26話見切ったあとでも、「なんでこの作品人気なんだろう…」って思えてしまった作品だったので、その気持ちを吐き出したくてわざわざ記事なんか書き出したわけです。

 

 

ここまでの内容で「イラッ」としてしまった方は今のうちが逃げ時ですよ!!

 

 

 

 

 

そろそろ具体的な話に入ろうと思います。

 

まず視聴していて一番気になった点なんですが、敵味方ほとんどのキャラに「実は悲しい過去があったんです」って毎度やるのクドくないか?ってところですね。

特に敵キャラについてなんですが、残虐非道で殺しを続けているようなキャラクターでも、倒す間際には必ず回想が入り、「実はかわいそうな過去があったんです…」て見せられるわけなんですが、これを見て何を感じるのが正解なんでしょうね。黒幕である無惨への怒りを感じればいいのだろうか。

敵キャラにも事情がある系の話は好きですが、それはあくまでも「その過去があったから俺はこの道を選んだんだ」っていうキャラクターの意思が感じられるから魅力が増す演出だと思っているので、悲しい過去があったならクズになっても仕方ないね…とはならなくないですか?その悲しい過去もそこまで悲惨って感じでもないし…

そしてその悲しみを感じ取った主人公の炭治郎が、死の間際の敵に手を差し伸べる流れになるわけですが、そのせいで「炭治郎の優しさを演出するためだけの回想」に見えてしまうんですよね。

 

この炭治郎も正直あまり好きになれなくて、敵キャラそれぞれに悲しい過去があって被害者なんだって主張はまぁ理想主義的な主人公としては分かるんですが、無惨に対してだけは殺意を募らせ続けてるんですよね。もしかしたら無惨にも悲しい過去があったかもしれないとか思わないのか。家族の仇だからそうだって言うなら、他の鬼たちもだれかの家族を殺してるんだから優しくするのはおかしな話だし…

ちょっと理想主義にしても視野が狭すぎるのではっていうのが炭治郎という主人公への感想ですね。視野が狭い主人公っていうのは珍しくはないですが、他のキャラもそれを指摘せず、ストーリー全体がその視野が狭い印象のまま進んでしまってるのも、この作品への不満点です。無惨だけ勧善懲悪で、他の鬼はその勧善懲悪から除外されているちぐはぐ感。

 

後は作品全体通して回想演出がしつこい!!

敵を倒す間際に回想が毎回入るのは前述したとおりですが、戦闘中も毎度のように回想が挟まれて、その記憶を戦うための原動力とする展開が非常に多いんですよね。

この演出はうまく使えばアツい展開になると思うんですが、こう何度も繰り返されるとクドく感じてしまってどうも感情移入できず「はよ戦いに戻ってくれ」って気持ちになってしまいました。

 

そしてここは特に好みの話でしかないんですが、戦闘シーンが基本的に脳筋というか、頭を使うシーンがほとんどなく、ピンチになって回想挟んで身体が動いて勝つ!って流れが基本スタイルなので、戦略張り巡らせる描写が無いのも好みから外れた要因かな~って思いますね。

戦闘中に互いの想いをぶつけたりするシーンも無いので、せっかく作画が良い戦闘シーンも盛り上がりに欠けるな~と。

 

 

戦闘シーンといえば、善逸の戦闘シーンはかっこよくて好きです。OPで禰豆子の前に降りてきて一閃するとこもかっこいい。

人気の19話は個人的にはあまり刺さらなかったですね~ピンチからの回想で新技覚醒して勝つってのは良い演出だとは思うんですが、前述した通りここに至るまでも毎回そんな感じの流れで勝ってきてたので、はいはいいつもの奴ねって感じてしまった。

 

 

とま~そんな感じですかね。

まとめると、回想の使い方が悪いってのと、炭治郎に感情移入できないってのがハマれなかった要因かなって思います。

 

視聴翌日に色々書きなぐりました。

冒頭に書いたように合わなかった一個人の感想なので、「そんなことないよ!面白いよ!」って意見を否定するつもりは全くないです!

寧ろ感想や想いがあれば是非お聞きしたいです。どういうところで人気出たのかっていうのは結構興味あります。

 

 

 

以上!もし読んで後悔した方がいたらすみませんでした!

好みの合う合わないは人それぞれということでこれからもよろしくお願いします!

風花雪月好きなシーンランキング

最近ブログ記事を書く時間が取れなくて1ヵ月も開いてしまったので、サクっと書ける話題の記事を書こうと思いました。今までの記事と違ってちゃんと校正とかせずに感情の赴くままに書きなぐろうと思います。

 

ということで、ファイアーエムブレム風花雪月の好きなシーンランキングTOP10の発表記事になります。名シーン多すぎて中々絞れなかったよね…

当然ネタバレしかないので、未プレイのよいこは見ちゃダメですよ!!

 

 

一応しばらくネタバレ防止空白

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

では早速参りましょう

 

第10位:金鹿の学級 10月課題「グロンダーズ鷲獅子戦」クリア後会話

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このゲームの学生時代は、鷲獅子戦までが(概ね)平和な日々になっていて、ここから先は不穏な展開が続くわけなんですが、この鷲獅子戦においては各学級の生徒達がスポーツで競い合っているような、実に爽やかな会話が見られるんですよね。

特に金鹿でクリアした際の会話には「今がずっと続けばいいのにな…」なんてついつい棗恭介みたいなことを言いたくなるほど平和な会話が繰り広げられます。

 

上画像のノリノリなディミトリを見てくださいなんですかこの優しい世界は。エーデルガルトも絶対このとき楽しかったんだろうなぁ…

 

その後のクラス内会話でのヒルダのセリフも好きです。

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平和で楽しい学校生活を象徴するこのシーンは、クリア後に見ると色々と心に刺さりますね…みんなで笑い合える日々はもう戻らないんだ…

 

 

第9位:白雲の章 1月散策における各キャラクターとの会話

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主人公が父親を亡くした直後の月です。

散策時に流れる物悲しいBGMと、主人公に対する各キャラクターの励ましや優しい言葉に、初プレイ時は少し泣いてしまいました。

ジェラルトがどれだけ慕われた存在であったか、主人公がどれだけ想われているか、をそれぞれ強く認識できるシーンですね。

 

どのキャラクターも、主人公を心配してくれたり、共に悲しんでくれたり、ジェラルトへの手向けであったり、ジェラルト殺害への怒りを露わにしてくれたりと、寄り添ってくれる人たちばかりで涙が出ますよ…悲しい出来事があったときは優しくされるのが一番涙腺に来るのよね。

 

この中でも特に好きなのはソティス、ラファエル、モブ兵士との会話ですね。

 

ソティスの優しい言葉は普段とのギャップにやられましたね…いつもそばにいてくれる人が悲しみに寄り添ってくれるの泣いちゃうよね。

 

そして大天使ラファエル。普段の明るさから忘れがちですけど、彼も両親を亡くしてるんですよね。当時その悲しみをどうやって乗り越えたのか話してくれるのすきです。

 

あとは以前ジェラルトと飲んだっていう兵士さんですね。作中でも数少ない、ジェラルトが主人公のことをどう思っていたのかが語られるシーンです。家族ものに弱いので、亡き親からの子への想いとか聞かされると泣いてしまう。

 

 

第8位:引き抜き戦闘会話 各種

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自学級に引き抜いたキャラを、5年後の戦争編で特定キャラと戦闘させると発生する会話各種ですね!これを無くして風花雪月は語れないと勝手に思っています。

かつての友人、親友、相棒、幼馴染など、深い関係にあった相手との命の奪い合い…カタルシスを感じずにはいられませんよね!

 

少し話が逸れますが、本作は主人公の選んだ学級によって、各級長の思考や選ぶ道が大きく変わるのは、全編クリアした方なら分かると思います。(紅花と蒼月のエーデルガルトが分かりやすい例ですね。目指す場所こそ一緒ですが、方法や考え方は同じとは言えないものになっています。)

そこから考えると、引き抜かれた生徒も同じように思考や選ぶ道が変わるのは必然であると言えます。特に紅花の章において、通常時と引き抜き時でキャラクターの思想が変わっているように感じられるのは、そういう理由なんだと思っています。

 

話しが戻りまして、主に紅花の章においてこの特殊戦闘会話は多く発生するんですよね。主人公側が改革のために大陸制覇を目指して侵略を進めるお話な訳ですから、自国や信じるものを守るために立ちはだかる相手との会話なわけですよ!譲れないものがあるかつての友との戦いですよ!

 

心に残る戦闘会話は色々あるわけですが、その中でも好きなものをいくつかあげるとすると、以下3つが特に好きですね!聞いたこと無いのがある人は是非聞いていただきたい。

 

フェリクスVSシルヴァン

フェリクスVSディミトリ

シャミアVSカトリーヌ

 

フェリクスとシルヴァンのペアエンド見てからフェリクスVSシルヴァンの戦闘会話見るのつらい…死ぬときは一緒だって約束を自らの手で破ることになるんですよこれ…ペアエンドであればその約束果たされるのがまた…

 

フェリクスVSディミトリはね、フェリクスがディミトリのこと「幼い日を共に過ごした友」ってつらそうな顔で呼ぶのがね、つらいね。なんだかんだディミトリのこと大好きだもんなお前…

 

シャミアVSカトリーヌもペアエンド見てから聞いてくれ。シャミアさん普段あまり感情を表に出さないし、この会話の最初もいつもの調子で始まるのに、最後の「ああ、そうだな…!」で感情込もりまくってても~~~~~ってなる。

 

他にもアネットVSギルベルトとか、ラファエルVSイグナーツとかも好きです。

声優の演技も相まってどれもキャラクターの心情が本当によく伝わってくるんですよね~~~~

 

 

第7位:蒼月の章 EP.17「鉄血の鷲獅子」グロンダーズの会戦

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10位で挙げた鷲獅子戦と同じ戦場で繰り広げられる、本当の殺し合いですね。ここへ至るまでに一人ないしは二人の且つての生徒と戦っているわけですが、ここでは数多くの且つての生徒たちと相対することになります。

そして半数以上は撃破時に撤退せず、その場で命を奪うことになるんですね~~~

 

初見プレイでのこのマップでは、敵として登場するキャラクター達の5年後の姿を、ここで初めて目にすることになるんですよね。成長した生徒達の姿に関心する間もなく殺し合うだなんてあんまり過ぎる。

 

個人的にはラファエル撃破時のセリフが一番刺さりました…彼には大切にしている妹がいるわけですが、既に両親を亡くしているので、自分が死んでただ一人残される妹のことを最後まで想ってるんですよね…

自らの手で彼の妹を天涯孤独の身にしてしまったんだと思い知らされる…

 

そしてディミトリVSエーデルガルトの会話はディミトリの情念が詰まってて本当に好きです。

エーデルガルトの「ここで死ぬ気など微塵もない!」という言葉に対して、ディミトリが「これまで貴様が殺してきた者たちも…皆、そう思っていただろうよ!」って返すの痺れるよな~~この二人の戦闘会話は毎回かっこ良すぎるんよ~~

 

 

第6位:翠風の章 EP.17「鉄血の鷲獅子」グロンダーズの会戦

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7位と分ける必要ある?って思うかもしれませんが、めちゃくちゃあります。

翠風の章においては、王国軍はほとんど戦力が残っておらず、このグロンダーズ平原にやってくるのは、世間的には死んだとされているディミトリが率いる残党軍のような状態になってるんですよね。

戦力も勝機も無いにも関わらず、エーデルガルトへの殺意のみを抱いたディミトリと、それに付き合う王国所属の且つての生徒達の捨て身の特攻です。ここで登場する王国所属のキャラクターは、ドゥドゥーを除き全員戦死します。

 

この死に際が本当に「無駄死に」としか言えない、何も成しえることもなく、納得いく結果等何も残せずに死んでいくので、青獅子の生徒達が好きなほどつらいんですよね…

こんなに魅力的なキャラクター達をただの敗残兵として描くの、本当に容赦なくて好きですね。つらいけどすき。

 

 

第5位:青獅子の学級 白雲の章 1月散策 ディミトリとの会話

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9位でも取り上げた1月散策会話のランクインとなるわけですが、級長のみ、自分が所属してる学級の場合は会話内容が変わるんですよね。青獅子選ばなければ聞けないシーンなので分けたというのは建前で、私がディミトリに心持ってかれたシーンなので分けました。

以下セリフ全容です。

 

…お帰り、先生。

俺も、皆も…お前を待っていた。

 

お前の敵は、俺の敵でもある。

お前の力になれるなら…何でもする。

他の誰でもない、お前の…

お前の力になりたいんだ、俺は。

 

お前が望むままに槍を振るおう。

お前が望むまま……誰だって、殺してやる。

 

……痺れますよねぇ!!!

どこか影はあれど、正々堂々の正道王子と思っていたディミトリが、お前の復讐のためならば誰だって殺してやる、だなんて誓ってくるんですよ!!

 

これはこの時点ではまだ分からないことですが、このディミトリという男は幼い頃から復讐だけを胸に誓って生きてきた男なので、この時の彼は、父親を殺された主人公に自身を重ねていたんでしょうねきっと…

 

復讐が正しくないだなんてことは分かっていますが、それでも主人公の怒りに寄り添い、共に復讐を誓ってくれる言葉には打ち震えざるを得ないんだよなぁ!

 

 

第4位:紅花の章 EP.14「卓上の鬼神」ヒルダ戦

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エーデルガルトと共に、クロードが守る同盟領を落とす決戦において、主人公たちの前に立ちはだかる本作で1番イイ女(主観)です。

 

このヒルダという女、非常にめんどくさがりやだし、面倒事は人に甘えてお願いしてばかりだし、訓練はサボるしで、普段は実にダメダメな女なんですよね。

まぁ(主に女性との)支援会話等を見ることで、その実とても有能で、困っている人を見るとつい助けてしまう面倒見の良い人物であることがわかるわけですが…

それでも、学生時代および、翠風の章時の戦争編においては、「誰かを助けるために自分が死ぬなんて馬鹿げてる」といった旨のセリフがあるんですよね。

 

そんな彼女がですよ!この帝国との防衛線においては「頼りない盟主様を助けてあげないといけないから」なんて言って立ちはだかってくるんですよね!

 

 

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そして撃破時のセリフがこれですよ…

なんでだよ…なんで誰かのために戦って満足そうに死んでんだよ…そんなの馬鹿げてるって言ってたじゃねぇか…

死ぬまで戦うとか、らしくないだろ…!

 

 

第3位:蒼月の章 EP.13「再会の夜明け」

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初プレイが蒼月だったんですよ。

だからってわけじゃないですが、再会の夜明けは蒼月が一番ドラマチックだと思ってます。

 

5年の月日が流れて、主人公が約束を果たすために訪れた修道院では、全てを失って復讐のためだけに生き続けてきたディミトリがいるんですよ。

 

信頼していた主人公が生死不明となり、祖国に裏切られて囚われ、ずっと一緒にいたドゥドゥーの自己犠牲で命を救われたディミトリの現状を見てまず死にます。

 

ディミトリとの再会後、野盗との戦闘中に駆け付けてくる成長した且つての生徒達を見てもう一度死にます。

 

各キャラクター達の戦闘セリフが、命の奪い合いを非常に重くとらえたものに変化しているのを聞いてまた死にます。

 

ここで初めて流れる戦闘BGM「野望の地平」の重厚感がこのシチュエーションにとても合っていて、セリフの重さと相まって、「あぁ、戦争が始まってしまったんだ。あの頃にはもう戻れないんだ」と認識させられるんですよね…

 

他学級の生徒と比べて、青獅子生徒の戦闘セリフって特に重たい気がします。

アッシュの「自分で選んだ道だから…」と、シルヴァンの「お互い覚悟の上だろ」が特にすき。

 

 

第2位:紅花の章 EP.17「復讐の野」

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みんな大好きタルティーン平原。青獅子プレイ後のここは地獄でしかない。

エーデルガルト率いる帝国軍と、ディミトリ率いる王国軍&レア(セイロスとお呼びなさい)率いる教団の決戦の地ですね。

 

6位で挙げた翠風のグロンダーズ平原と違い、ここでの王国軍は祖国のため、仲間のため、フォドラに平穏を取り戻すため、そして復讐のために戦っています。

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もうセリフが重い…重いよ…

声優の演技も相まって鳥肌止まらん。

 

戦争の厳しさをこれでもかって詰め込んだマップだと思います。

この戦いのどこにも正義なんてものは無いんですよ。

 

 

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 やはりディミトリとエーデルガルトの戦闘会話は痺れる…

 

 

そしてマップクリア後、エーデルガルトがディミトリに止めを刺すシーンは本当に切ない…エーデルガルトは最後の言葉を聞いて初めて彼のことを思い出したのだろうか…

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ところでこのマップ、ドゥドゥーが人間のままディミトリを倒すと特殊会話があるのはご存じでしょうか。

 

最後まで何も救うことができなかったと失意のまま倒れるディミトリが、ドゥドゥーを救うことが出来ていたと気づかされて、最後に少しだけ報われてから逝く会話を見ることができるので、是非見てみてください。ここのドゥドゥーのセリフが泣けるんだ…

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ちなみにこの場合、「地獄に落ちろ、エル。」のイベントは無くなります。

 

 

 

第1位:蒼月の章 EP.22「短剣の誓い」

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もうタイトルから震える。

蒼月の最終章が堂々の1位となります。好きなシーンランキング絞るのは時間かかったけど、1位だけは間違いなくここだなって最初から決まってました。

 

少なくとも蒼月の章においてのエーデルガルトは、幼い頃に貰った短剣とその時の言葉を心の支えとして、辛い境遇を耐えて、野望を遂げるために戦い続けてこれたわけですよ。

その短剣をくれた相手が幼き日のディミトリであったことは、最終決戦目前に聞かされるまで覚えていなかったようですが…

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しかもこれ支援会話とか女神の塔のイベント見ると分かるんですが、幼い日の彼らはお互いを初恋の相手として認識してるんですよね~~

 

とまぁそんな関係の二人ですが、歩んできた道と思想の違いにより分かり合うことはないと決別し、最終決戦が行われるのがこの終章です。

 

これは私の考えですが、この二人の思想はどちらかが間違っているということは無いと思っていて、作中でも言及があるようにエーデルガルトの目指す世界ってクロードのそれと近しいものがあるんですよね。

ただエーデルガルトは多くの血が流れるやり方しかできなかったがために、ディミトリと分かり合えなかったということなのでしょう。

「戦争が起こる前に互いを分かり合えていれば、きっとみんなが手を取って幸せになれる選択肢があったはずなのに」っていうもどかしさを抱いてしまうのも、このゲームのストーリーの魅力なんだろうと思います。

 

話が逸れました。

ようはこの最終決戦は、互いの信念のぶつかり合いなんだって話をしたいんです。

蒼月のエーデルガルトのみ、人間の姿を捨ててでも勝利を諦めなかったのは、きっと短剣に誓った想いと、相手がその誓いと短剣をくれたディミトリであったからなのだろうと解釈してます。

 

この最終章で流れるBGM「この世界の頂きで」がね~~~本当に素晴らしいんですよね~~~ベストマッチ過ぎる!

メインテーマのアレンジとか流されるとこれまでの事に想いを馳せちゃうよね。特に蒼月はディミトリの物語中での成長が著しいからとても感慨深い…

 

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痺れる~~~~~~~~~~

どの立場であってもこの二人の会話はどれも大好きですほんと痺れる。

 

 

そして戦闘終了後のエンディングね、これね、このゲーム起動するたびに毎回見るくらい好きです。

 

力尽きて人間の姿に戻るエーデルガルトに微笑んで手を差し伸べるディミトリ。

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その手を取るフリをして「短剣」を投げつけるエーデルガルトと、瞬時にエーデルガルトへ槍を突き刺して止めを刺すディミトリ。

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短剣は刺さったディミトリの胸元から抜かれて足元に投げ捨てられる。

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一瞬エーデルガルトの元へ戻りかけたディミトリを主人公が留め、勝利の歓声を受けつつ凱旋へ向かいEND。

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こんな…こんな哀しい凱旋があるかよ…

 

ここの行動は色々解釈ありそうなので多くは語りませんけど、捨てられた短剣がアップで映し出されるシーンで感情ぐちゃぐちゃにされてしまう…

 

 

 

 

ということで、風花雪月の好きなシーンランキングでした!!

1位と2位がそれぞれの立場からのエーデルガルトvsディミトリなの、めちゃくちゃ好み出てますね…

 

いやしかしサクッと書くつもりが思った以上の文量になってしまいました。

 

あ、あともう一つシーンじゃないけど好きな表現があって、級長三人の専用職の話

エーデルガルト:ロード → アーマーロード → カイゼリン

ディミトリ  :ロード → ハイロード   → マスターロード

クロード   :ロード → ドラゴンロード → バルバロッサ

となるわけですが、ディミトリだけが最後までロードであり続けるの、すごい好きです。

GBA世代のエムブレマーなので、「マスターロード」という職に特別なものを感じてしまう。

 

 

 

改めて、本当に心に残るシーンが沢山あって無限に語れる良いゲームです。

この記事読んだ皆も好きなシーンと想いがあれば聞かせてくれよな!!!

アークナイツの話

私がリリース当初からやっているソシャゲ「アークナイツ」の話をしようと思います。

リリース開始が2020年1月なので、まだ8か月も経ってません!

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本作は開発元が「Hypergryph」で運営が「Yostar」となっており、中国のゲームですね! 中国国内では全世界リリースより1年ほど早くリリースされており、全世界リリース版(グローバル版)よりもストーリーやキャラクター実装等、全てにおいて先に進んでいます。

中国版は一般的に「大陸版」と称されていますね。(アズレンとかやってる人はイメージ付きやすいと思います)

 

このゲーム、個人的には今までやってきたソシャゲの中で一番気に入っています。といっても元々そんなにソシャゲ沢山やる人では無いのですが…(ある程度続いたのはデレステ、FEH、ロマサガRS、アズレン、モンスト、GEREOくらい?)

 

 

ゲーム記事でいつもやってる項目別評価ですが、ソシャゲなのでちょっと項目変えてみました。(最高★6つ)

 

◆シナリオ   …★★★★☆☆

◆キャラクター …★★★★★★

◆システム・UI…★★★★☆☆

◆グラフィック …★★★★☆☆

◆ゲームバランス…★★★★★★

◆課金の重要度 …★★☆☆☆☆

◆ガチャの難易度…★★★☆☆☆

 

 

◆シナリオについて

ソシャゲとしては中々クオリティが高めだと思います。(シナリオによって面白さに結構差があったりするから評価低めにしたけど) 雰囲気は割とダークで重め。

まず世界観として、「源石(オリジニウム)」という鉱石を動力とした技術やアーツ(魔法)が発展している世界なんですが、この源石は接し続けると「鉱石病(オリパシ-)」という完治不可の感染症に患うデメリットがあります。鉱石病を患うと、臓器や体表に源石が発現していき、最終的には死に至ります。

鉱石病感染者に発現した鉱石からも感染のリスクがあるため、多くの場合感染者は差別・忌避の対象とされています。

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本作の物語は、この差別を受けて迫害された感染者達の組織「レユニオン」と、感染者を保護して治療の道を探す製薬会社「ロドス・アイランド」(通称:ロドス)、そして各地の都市勢力達による武力抗争を描いたものになっています。

プレイヤーはロドス所属の医師 兼 戦闘指揮者「ドクター」として仲間を率い、レユニオンを中心とした敵対組織との抗争に関与していくことになります。

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いつも記事読んでくれてる人に「こいついっつも戦争ものプレイしてんな…」って思われそうな気がしてきました。好きなんだもん…容赦なく人が死ぬ話…

 

 

ソシャゲらしくシナリオは、常にプレイできる本編と、期間限定のサイドストーリー(所謂イベント)に分かれているわけですが、概ね本編は雰囲気が重くて、サイドストーリーがキャラクターや世界観の掘下げを目的とした軽めのものが多いです。

 

そしてこれは本編もサイドストーリーも、後述するキャラクター関係もそうなのですが、このアークナイツというゲーム、めちゃくちゃ文章量が多い!!ぼくのブログより多い

世界観や設定がちゃんと作りこまれているので、この雰囲気が好みであればどんどん引き込まれてキャラや世界観を好きになっていきます。

 

そんなわけで敵側にもそれぞれの意志や復讐心、仲間との絆等々があったりするわけですが…まぁ…そんなキャラ達がね、容赦なくね、死んでいくわけですよね…(6章を読め)(6章はいいぞ)

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こんなかっこいい敵モブ同士の会話ある?

 

このブログ記事書いてるやつ、主人公サイドが正しいとは限らない作品の話ばっかしてない??敵側が魅力的な作品は名作だってアトさんが言ってた。

 

ただ個人的なシナリオへの不満として、地の文が一切無いので、状況説明をキャラクターがせざるを得なくなって、たまに説明臭いセリフが気になることがあります。

あと文章多すぎて気合入れて読まないとキャラクターの関係性をちゃんと把握しきれないことがある(活字雑魚感)

 

◆キャラクターについて

本作の世界には、猫や狐や鳥、蛙や蜥蜴や龍、天使や悪魔などをモチーフにした種族が多数存在しているので、多くのキャラクターの身体的特徴にもそれらが表れています。

それと、この手のソシャゲにありがちな女の子だらけってわけでは無く、男キャラも結構います。ロリもお姉さんもイケメンもイケおじも選り取り見取りですよ奥さん!!

 

そして前述した通りキャラクター毎に設定された文章量が多い。ボイスも結構多い。

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こんな感じのプロファイルが全キャラにあります。

 

この設定やボイスの中には他キャラクターに言及するものもあったりして、キャラクター間の関係性も見えるようになっています。

本人のキャラページだけではそのキャラの全てを知ることはできないのだ。

 

加えて、本編やサイドストーリー内でもキャラクター感でのやり取りが非常に多く、上記画像のような設定に加えて、シナリオでもキャラクターの掘下げがしっかり描かれます。

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えっお前ら仲良かったの!?君らそんなニックネームで呼びあってたの!?みたいなのが多く描かれるサイドストーリーは特に好きですね!どんどんキャラが好きになってしまってガチャ意欲が増しますねぇ!!

ゲームバランスの項で触れますが、このゲームって「後から実装されるキャラが強い」ってことが先に進んでいる大陸版含めてほとんど無いので、強いからガチャ回さなきゃ!!って必要が無いんですよね。

その分こうやってキャラクターの魅力を見せてガチャを引かせてくるってのが好きです。

 

あともう一つ特徴的なのが、この手の主人公=プレイヤーのゲームって、仲間がみんな主人公LOVEであったりしがちだと思うんですが、本作はあまりそんなことは無く、むしろキャラクター間の関係性の方に重点を置いているように見えます。

主人公に感情移入してキャラクターと接するタイプよりは、どちかというとカプ厨に好まれやすいタイプの造りですかね!(ドクターLOVE勢もいるよ!)

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ハーレム主人公ばりに縁の繋がりがあるテキサス

 

 

私が特に好きなのはフロストリーフとアンジェリーナですね!(大陸版のシャマレとカッターも好きだけどまだ未実装なので…)

 

まずフロストリーフですが、銀髪の狐っ子ですね。本作はキャラクターの年齢は明記されませんが、本編での会話からしてまだ相当若いようです。職は前衛で、武器は身の丈程もあるハルバード

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顔が良い…声も加隈亜衣さんで良すぎる…見えづらいけど、もふもふ尻尾があります。見た目全一か?

 

幼い頃から少年兵として戦場に出ていたため、若くしてロドスの中でもトップレベルの戦闘経験を積んでいる子ですね!

ただしロドスに来る前は少年兵として当たり前のように戦場でこき使われる幼少期を過ごしていたのもあって、鉱石病にかなり身体を蝕まれてしまっているようですが…

 

フロストリーフのプロファイルでは、ロドスに来た当初から今に至るまでが残されてるんですが、この記録がね〜良いんですよね〜

戦うことしか知らなかった子が普通の生活を知って世界が鮮やかになっていくの良いよね…

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普通の生活を知ることで人の命の重さを理解した彼女は少し弱くなったのかもしれません。その「人が本来持っているべき弱さ」をやっと手に入れたんですね。

 

もうここまでの設定でアトさんが好きなやつじゃん!ってなると思うんですが、この子性格まで最高なんですよね…

 

音楽好きでクールな女の子で、喋り方は結構ぶっきらぼうな感じなんですが……めちゃくちゃ面倒見が良いんですよこの子!若いのに、しかもあんな過去を過ごしてきたのになんでそんなに面倒見良いの…

疲れているドクターにお酒奢ってくれたり、勉強が分からない子に教えてあげたりするのずるいじゃん…好きになっちゃう…

信頼タッチの「一杯やろうか」の言い方が柔らかくて信頼感じられてどきどきする。フロストリーフはウイスキーが似合う女…一緒にお酒飲みたい…

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レッドにドクターからの宿題で分からないところを教えてほしいと頼まれて快く受け入れるフロストリーフ。この口元が少し微笑んでいるのがいいよね…

 

そしてこの子、非常に真面目で努力家でもあるんですよね。訓練で学んだことはしっかり書き残すし、精神が不安定な仲間との接し方もしっかり把握してます。そうでないと生き残ることが出来ない環境で過ごしてきたんだろうなぁ…

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フロストリーフ用の凸アイテム。本作はキャラクター別凸アイテムの説明文にまで個別テキストがあります。

 

それでいて子ども扱いされると不満そうにしたりするんですよ!!愛おしい過ぎる…

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色々語り足りないけど次行きましょう!アンジェリーナの話ですね!

この子も狐。職は補助で、作中でも貴重な重力操作アーツの才能を持っています。

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本名「安心院アンジェリーナ」コードネーム「アンジェリーナ」 そのまんま過ぎる…

というのもこの子、鉱石病を患うまでは極々普通の女子高生だったんですよね。当然戦闘経験なんて全くなくて、勉学やオシャレに時間を費やす一般JKでした。

 

まぁこの子のことを語るにはまずこれを読んでいただきたい。

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シナリオの項で触れた通り、鉱石病は感染症です。

運命のいたずらで感染者となってしまった彼女は、大好きな友達や家族に迷惑をかけてしまわないよう、それらに黙って別れを告げることを選ぶんですね…

平和で幸せな日常を過ごしてた女子高生が突然死に至る病に患った時にできる選択じゃないでしょ…全部1人で抱え込みやがって……安心院…俺が幸せにしてやるからな。

 

そしてこの子は普通の女子高生であるが故に不安を抱きながらもロドスの戦力として戦うわけですが、その不安も命の危険とか、うまく戦えるかなんてことではなく「自分が責任を負えるか」という点なんですよね…!

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この若さで周りの人を常に気遣える強さと、その周りの期待に応えられるか不安に圧し潰されそうになる弱さが愛おしいよね…

 

 

そしてある程度戦いに慣れてきた頃(ゲーム内でいう昇進Ⅱ)にはその弱さを振り切ることができるわけなんですが、その時も「ドクターのために」ってまた誰かのために頑張ろうとしてるんですよ…こんな献身的なJKが居ていいのか!?

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これに限らず、主人公であるドクターへの会話でも気遣いが沢山見て取れるんですよね。記憶を失ったドクターの思い出を取り戻そうと励ましてくれたり、夜更かししないよう気遣ってくれたり…

 

それでですね、恐らくここがこの安心院アンジェリーナに心奪われるドクターが続出したポイントなんですけど、この子、信頼度を最大まで上げることで、完全にドクターに恋心を抱いてくれちゃうんですよね。 

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 普通の女子高生が大好きな友人や家族との関係を全て失って、その原因である病気を治そうと尽力する人に恋心を抱いてしまうのは自然なことかもしれませんね!でもその負けヒロインみたいな遠回しな告白は胸が苦しくなるからやめてくれ!安心院…俺が幸せにしてやるからな。

 

 

他にも魅力的なキャラクターは本当に沢山いるんですが、キャラ毎の設定の多さも相まって語るのにも限界があるので、今回はこの辺にしておきますね!

 

 

◆システム・UIとグラフィックについて

戦闘システムは概ね一般的な「タワーディフェンス」ゲームですね。マップに味方を配置して、敵を自陣に通さないように迎撃していきます。

一般的なタワーディフェンスと違うのは、敵をブロック(足止め)する近接職があることですかね。

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画像右側の青い四角で囲われたマスに敵を通さないように迎撃します。

 

特に語ることもない一般的なシステムですが、キャラクター毎にステータスも攻撃範囲もスキルも色々異なるので、戦略の幅は非常に広いです。

いつ、誰を、どこに配置し、いつスキルを発動するか、はたまた撤退させるか…後述する優れたゲームバランスもあり、プレイヤーによって攻略手順が全く変わるのも面白いんですよね。頭を使うゲームが好きな人には非常におすすめです!

 

次に育成システムですが、対人要素の無いこのゲームにおいて、このキャラクター育成こそがメインコンテンツと言っても過言ではありません!レベルアップに必要な素材を集め、スキル強化に必要な素材を集め、昇進に必要な素材を集める…

そう、周回ですね。まだ休んじゃだめですよ。

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最大まで育成しきるまでの手間は、私が今までやってきたどのソシャゲよりも大きいと思います。その分好きなキャラを完全に育成しきった時の満足感もひとしお…。

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そしてそんな周回作業をサポートしてくれるのが「自動指揮」機能ですね!所謂オート攻略です。一度クリアしたマップは、クリア当時の動作を再現してオート攻略してくれちゃうんですね!

これがとっても便利で、「今ちょっと忙しい時期だから…」なんて時は、理性(スタミナ)消費の大きいステージでオート周回を2、3回やっておけば無駄を発生させずに済みます!

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自動指揮正常運転中。何も操作せずに勝手に戦ってくれます。

 

加えて本作は理性(スタミナ)の回復速度があまり早くない(6分で1回復)ので、朝・昼・晩に数回画面タップすれば、オートで数分の内に理性を使い切ることができます。

まぁこの理性回復を待ちきれず、素材集めのためにひたすら課金石を割って理性を回復し続けるドクター達が後を絶ちませんが…(必要周回数が多すぎる)(理性が無くて長期的な育成計画ができない)(終わってない仕事がたくさんありますから)(まだ休んじゃだめですよ)

 

また、「基地」という素材やお金を毎日集めたり、素材の変換をすることができるシステムなんかもあるのですが、これはUIの不便さもあって説明しづらいので割愛します。毎日少なくない量のお金や育成素材が手に入るので、長期的に見れば相当数の素材を何もせずに貰えるようになっています。

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様々な施設を配備できる「基地」。施設やキャラをきちんと配備すれば結構な稼ぎになります。

 

また、本作の特徴として、ソシャゲ特有のデイリー・ウィークリーミッションについて、全て達成しなくても報酬を全回収できるようになっています。報酬の数よりもミッションの数の方が多いんですね。

これにより、面倒なミッションはやらなくても、いつものルーチンで流れ作業的にミッション達成できてしまうのが易しいところです。

期間限定のイベントミッションなんかも、ほとんどの場合が相当余裕を持って達成できるようになっています。(イベントの種類にもよりますが、二週間あるイベントのミッションが初日で全部終わるなんてこともあります。)

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まだ未クリアのミッションがあるのに[報酬受取済]の表記が出ています。

 

これらを踏まえて要約すると、本作は何かのついでにやったり、サブゲーとしてやるのに非常に優れているんですね!

ストーリーを進めるときや、一部の高難度マップ・イベント攻略時以外は、読書しながら、他のゲームやりながら、ご飯食べながら、仕事しながら等、いつでも片手間にできるゲームになっています。

 

 

◆ゲームバランスについて

まず本作は、対人要素が一切ないゲームになっています。他プレイヤーとのやり取りは、フレンドポイントのやり取りの他、貸出しキャラを使わせて貰えるくらい。

スコアや順位を競ったり、対戦したり、協力してポイントを稼いだりするシステムはございません!

ここは好みが分かれるところですよね。私はソシャゲの対人要素ってストレスの元になりがちであまり好きではないので、ここは気に入っています。

 

加えて、敵側にランダム要素というものも一切ありません。マップの構成も敵が出てくる順番も固定ですし、敵味方ともに攻撃の対象選択も完全にルールに則って行われます。

つまり、どんなに難しいマップでも、何度も繰り返す内に攻略の糸口が見えてくるわけですね!それをサポートするように、「演習チケット」という理性を消費せずにマップを練習できるアイテムが、毎日30枚配られます。

 

そして肝心の味方側の戦力の話ですが…ここが本当に上手いことバランス取れてるな~と感心してるポイントになります。

 

ソシャゲなので、多くのキャラクターはガチャで手に入れることになるわけですが、レア度に関わらず、役に立たない・使い道の無いハズレキャラは一切いません!(勿論高レアキャラの方が強力ではありますが…)

本作の低レアキャラの特徴として、戦闘中の出撃コストが安い(早く出撃できる)、育成に必要な素材が少ない役割がハッキリしている、等があります。育成素材の少なさから、序盤の戦力が足りない時の主戦力になることに加えて、足止めや差し込みなど、職の役割に見合った運用をする限り、最前線でも十分に活躍できます。

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役割が異なるため単純比較の意味は薄いですが、同じ先鋒職で同レベルのシージ(星6)とヴィグナ(星4)を比較しても、遜色ないステータスをしています。

 

また、前述の通り対人要素は無いので、攻略さえできれば勝ちなわけです。そして本作はキャラの役割や性能、敵やマップの特徴等を把握していれば、運用次第でほとんどのマップが低レアのみで攻略ができてしまいます。この低レア攻略がまた楽しいんですよね。

 

じゃあ高レア使えば難易度低くて手応え無いんじゃないの?と思うかもしれませんが、全くそんなことは無く、本作は強キャラで無双できる類のゲームではありません。

キャラクターを配置する場所やタイミング、順番等、マップに相応しくない動きをしてしまうと、最高レア艦隊で全員レベルカンストしてようと、攻略失敗する可能性があります。

 

じゃあ低レアだけでいいじゃんガチャ回さなくていいな!って思うかもしれませんが、まぁキャラ愛の他に、高レアは複数の役割を熟せたり役割に完全特化していたり、唯一無二の特徴を持っていたりするので、持っていると作戦の幅が広まるんですよね。単純に頭フル回転せずに攻略(ゴリ押し)する力にもなりますし。

そもそも低レア攻略はトライ&エラーの繰り返しで成し遂げるものなので、全ステージ低レアのみで攻略!なんてやると相当疲れると思います…

それと、非常に高難易度のマップや、数ヵ月に一度来る超高難度イベントで好成績を残す際には、高レアキャラが大活躍してくれます。(まぁその超高難度イベントも、報酬全取りするだけなら低レア攻略達成者が出てくるわけですが)

あとは純粋に魅力的なキャラだと欲しくなるよね!

 

 

ソシャゲで良く出てくる「人権」と言われるキャラもいるにはいます。居なくても攻略できるのに人権って言うのはどうなんだ?という気はしますが。

それらは主に「シルバーアッシュ」「エイヤフィヤトラ」「サリア」の三人を指すことが多いですね。なんと全員リリース当初からいるキャラクターです。たまに交換枠にも並ぶ。確かに最高レアである星6の中では頭一つ抜けていますが、いなくても既存コンテンツは何の問題無く攻略できます。

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弊ロドスの完凸シルバーアッシュ(未育成)

 

ちなみに今のところリリースから1年と数ヵ月経過している大陸版でも、これらを超える性能を持つキャラは実装されていません。インフレの全くないゲームとして推移しています。

 

 

つまり、頭を使えば低レアでも攻略ができるし、高レアにも難易度を下げる以外にもしっかり活躍の場があるゲーム、ということですね。縛りプレイもゴリ押しプレイもおっけーです。

対人要素も無く、ガチャもキャラクター性で回させる傾向にあるので、インフレの心配もありません。好きなキャラで好きなように攻略しような!

 

 

◆課金の重要度について

前述した通り、攻略する上においては非常に課金の必要性は低いですね。

主な課金要素は以下2点です。

 

①    欲しいキャラのガチャ

このキャラ可愛い!ストーリーでの活躍に惚れた!この性能は面白そう!推しだから完凸しなきゃ!推しの相棒!…等々、欲しいキャラが実装された時にガチャを回します。

一般ソシャゲ民にはお馴染みですね。

本作は攻略やイベントに必須な高レアキャラはいないので、好きに回してください。

 

②    素材集め周回用の理性回復

これは馴染みが無い人が多いかもしれません。スタミナ回復のために石を割るなんて文化は国産ソシャゲにはあまりないですよね。私も最初抵抗ありました。

ただこのゲーム、特に高レアは育成に必要なリソースが膨大なので、「このキャラ好きだから育てきりたい!」って思うと相当数の周回が必要になるんですよね。長期的に見ればそのうち育てきれるわけですが……待ちきれないよなぁ!石割って理性溶かして周回!怖いのは最初だけ!君も今日から理性ゼロ!

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親の顔より見た画面

 

実際育てたいキャラが少なければ良いんですが、好きなキャラや面白い性能のキャラが増えてくると、この子も育てたいあの子も育てたい…ってなってくるんですよね。

 

 

課金は全く必須ではないけれど、ガチャや育成に逸る心を押さえつけられないなら必要ですね。

 

 

◆ガチャの難易度について

はいソシャゲの重要ポイントですね。結論から申し上げますと、難易度はあまり高くはありません。本作の基本ガチャ確率は以下の通りです。

 

星6…2%  星5…8%  星4…50%  星3…40%

 ※この内、ピックアップキャラは当該レアリティの50%で出現。

 ※初回は10回までに星5以上確定。

 

と、これだけ見ると普通か、ちょっと難易度高くないか?って思いますよね。

本作のガチャは、51連目以降、1回回す度に2%ずつ星6確率が上昇していきます。そしてなんと!この確率はガチャが入れ替わっても継続されます!

つまりAガチャで10回、Bガチャで20回、Cガチャで20回ガチャを引いて星6が出なければ、次回からはどのガチャでも星6確率が2%ずつ上昇していくわけですね。(一部対象外のガチャもありますが)

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加えて、キャラクター入手時に手に入る「資格証」というアイテムを用いることで、ピックアップキャラの一部と交換することもできます。この資格証はキャラクターの他、汎用凸アイテムや素材等とも交換できますね。

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今はサリアとフランカを交換できます。

 

凸の話が出ましたが、本作の同キャラ重ね(限界突破)はかなり恩恵が少ないです。出撃コスト減少と、能力や一部性能が強化されますが、その数値は数%程度です。更に対人要素も無いため、その強化の必要性も薄いんですね。言ってしまえば、凸は完全に趣味の領域です。

そのため、ガチャは一人引ければ基本的に勝ちです!

 

それでも凸したいんだって人にはちょっとガチャ難易度は高めになるかもしれません。凸アイテムはありますが数は多くないですし…

その場合5凸で完凸となるため、6人引く必要がありますね。

 

ちなみに課金レートは、1万円で52.5連分になります。初回課金では課金額別にボーナスが貰えるので更にお得。ソシャゲのガチャに慣れてしまうと、正直このレートびっくりするほど安いですよね。

まぁソシャゲやらない人からしたらガチャに1万かける時点で高杉晋作でしょうけど!

 

それから、石を使わない[公開求人]というガチャもあります。「求人票」というアイテムを用いて、タグと求人時間を指定してキャラクターを入手するシステムです。

基本的には星2~星4キャラの入手となりますが、低確率で星5キャラが引けるほか、特定のタグを引き当てることで、星6キャラすらも手に入れることができます。

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私はこれで結構星6キャラの凸が進んでいるので、意外と馬鹿になりません。

特に無課金者には非常にやさしいシステムですね!

 

 

◆最後に

私は元々コンシューマゲーのオタクなのですが、FEHを機にソシャゲへの理解も深めることになりました。それで冒頭で並べたもの以外にも、色々なゲームを触ってきたつもりではあります。

その中でも、このアークナイツは自信を持って「イチオシ」できる作品であると言えます。

 

まず世界観とキャラ設定の作りこみが本当にしっかりしている。そしてゲームバランスの良さや対人要素の無さからストレスが無い。そして何よりキャラの深掘りを積極的にしてくれる。

ここまで応援したい、と思えるソシャゲは初めてでしたね!

不満0ではありませんが、これからも本当に頑張ってほしいです。

 

大陸版が先行で進んでいる為、自分の中でガチャ計画が組み立てやすいのも良ポイントですね!(本当にガチャ計画に則って石の節約はできましたか…?)

 

頭を使うゲームが好きな人、魅力的な世界観やキャラクターに惹かれる人、キャラクターの関係性に萌えられる人、片手間にできるゲームが欲しい人なんかは、ぜひぜひ触ってみてください!

 

 

ロドスはいつでも人材募集中ですよ、ドクター。

 

東方Projectの話

オタクをやっていればどこかで目にしたことがあるであろう「東方」という言葉。

今回はこの「東方Project」についての説明とかオタクトークとか、そんな記事です。

 

 

■そもそも「東方Project」とはなんぞや

上海アリス幻樂団」という同人サークルが製作している同人ゲームです。書籍作品やCD作品もありますが、基本的には[弾幕シューティング]ゲームとなります。

(他の同人サークル「黄昏フロンティア」との共同制作にて、格闘ゲームを製作することもあります。)

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製作元の上海アリス幻樂団は、「ZUN」という主宰1名のみで運営されているため、ゲーム製作におけるプログラミング、イラスト、音楽等、全て個人で作成されています。

 

 

■作品について

2020年現在、ゲーム作品だけでも30作近く製作されています。作品タイトルは「東方〇〇〇」といったように、東方の後に三文字の漢字が入るものがほとんどです。

参考までにWikiの年表貼っ付けときますね。

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この内、靈異伝~怪綺談まではPC-98用の非常に古い作品で、一般的に「東方旧作」と呼ばれています。この時点では「上海アリス幻樂団」ではなく、「ZUN Soft」としての製作ですね。

そして2002年の紅魔郷からはWindows用の作品で、「上海アリス幻樂団」として製作したものになります。東方旧作とは色々設定や世界観が変わっていたりするので、直接の繋がりは無さそうです。たぶん。

 

 

閑話休題

東方の成り立ちの話やゲーム性の話をしたいわけでは無いんです。敵を倒したり弾を避けつつ道中を進んでボスを倒す。それをステージ分繰り返す、普通の弾幕シューティングですからね。

 

では何の話をしたいかと言うと、そんな普通の弾幕シューティングゲームに何故私は惹かれたのかって話ですね。

ここからは世界観、キャラクター、BGM、弾幕、二次創作なんかの話を項目別にしていこうと思います。

 

 

■世界観について

作品の舞台は「幻想郷」という、多くの妖怪と少数の人間が暮らす土地になっています。幻想郷は一応日本にあるとされているのですが、結界によって外部と遮断されており、原則出入りは不可能です。

幻想郷の外の世界で、忘れられたり、減少した生物・道具などが幻想郷に流れ着くことはありますが、パソコンや携帯電話など、文明の利器は基本的に存在しません。

 

等々…まぁ色々設定はあるのですが前述した沢山ある作品のほぼ全てが、この「幻想郷」を舞台にしているため、新しい作品が出るたびに、どんどん幻想郷という世界が広がっていくんですよね。

作品間で長い年月が流れたりもしないため、新作が出るたびにキャラクター同志の関係性がどんどん増えていくのも魅力的なところです。

 

製作者が一人だけなので、長く続くシリーズものでも設定がブレたりしないのも安心。(たまに過去作キャラクターの口調が新作で変わったりはするけど)

 

 

■キャラクターについて

新作のたびに増えるため、非常に多くのキャラクターがいる作品なのですが、なんと名前のあるキャラクターの9割以上が女性となっています。硬派ではない。

 

人間のキャラクターもいますが、多くは妖怪、怪物、幽霊、神、天人、神話や伝承の人物など…をモチーフにした少女です。現実で忘れられた存在が幻想郷に流れ着く、という設定はこういうモチーフとなる存在にも反映されてます。(鬼とか河童とか)

このモチーフがあるってのも込で、相当数いるはずのキャラクターがちゃんとそれぞれ立ってるんですよね。

あとオタクってやっぱり人外好きじゃないですか(偏見) 吸血鬼の少女ってだけで惹かれるのがオタクですよね。性癖には抗えないね。

 

そしてキャラクター同志の関係性も明確にされている部分が多くて、友人関係であったり主従関係であったり血縁関係であったり因縁関係であったり……キャラクターが多い分こういった関係性もたくさん見えてくるので、性癖に引っかかるポイントが多いんですよね。

加えて、キャラクターはそれぞれ特徴的な能力を持っています。闇を操る、歌で人を狂わせる、不老不死、とかですね。これもまた個性を引き出す要素になってます。

 

まぁ言ってしまえばオタクが好きなやつです。

数あるキャラクターや関係性の何かしらは刺さりがちなので、性癖に刺さったオタクが興味を持ちやすいんですね。

好きなキャラクターが見つかったら、あとはそのキャラが出る作品やってみてハマってくわけです。主人公格のキャラ以外は1~2作品にしか登場しないから手を出しやすいしね!

 

 私も好きなキャラはたくさんいますが、特に好きなフランドール・スカーレットの話をします!Twitterとブログでアイコンにしてる子です!

 

この子は紅魔郷のEXボスとして登場したキャラクターです。(EXは本編クリア後に遊べる高難易度ステージ) ファンからの愛称は「フラン」または「フランちゃん」。

作中での立ち位置としては、紅魔郷のラスボスである「レミリア・スカーレット」のになります。495年以上生きているのに、少々気がふれていて外に出してもらえない上、元々引きこもり気質なのもあって、その大半を地下室で過ごしている箱入り娘。

まずこの子はですね、あまりにも属性過多すぎるんですね! 

・吸血鬼

・金髪幼女

合法ロリ

・サイドテール

・歪な羽

魔法少女(魔法少女要素どこ…?)

・姉より強い妹

・気がふれている

・以外にも利発的なセリフ

・チート能力持ち(ありとあらゆるものを破壊する)

 

といったように、ま~~~オタク(私ですね)が好きな要素てんこ盛りな子なんですね。

原作の敵としても非常に強いのですが、普段は難易度ノーマルをクリアするのがやっとの私も「推しを倒せないわけにはいかんでしょ」みたいなノリで当時めちゃくちゃ練習して安定して勝てるようになったもんです……今は多分もう勝てないけど。 

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東方シリーズのキャラは初登場後も、後の作品で何かしら出番があることが多いのですが、このフランちゃんは人気の高さに反して、長いこと公式からの供給が無かったんですよね。(2002年の紅魔郷で初登場以降、2005年の文花帖で出たっきり)

ところが2019年10月に連載開始したZUN原作の公式漫画「東方智霊奇伝」にて、実に14年ぶりに公式フランちゃんがセリフありで登場いたしました!!!おめでとうございます!ありがとうございます!!

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随分長いこと出てなかったので、二次創作のフランちゃんばかり見て解釈違いが発生しないかと不安でしたが、完全に解釈一致の振る舞いをしてくれていて感動しました。これからも推します。

 

 

■BGMについて

キャラクター面ではちょろいオタクのトークをしましたが、BGMはゲーム音楽好きな全ての人に聞いてほしいほど、本当にめちゃくちゃ素晴らしいです。

そもそも原作者であるZUN氏がWindows版東方を作り始めた理由の一つとして、「ゲームのほうが音楽を聞いてもらえると思った」という発言をしていることから、BGMに関してはゲームと同じか、それ以上に力を入れていることが伺えます。

 

本作のステージ中に流れるBGMは、各作品の1面~6面EX面にそれぞれボスまでの「道中曲」と「ボス曲」で全て異なるBGMが存在するため、非常に多くの楽曲があるのですが、名曲率の高さが半端じゃないです。

東方で一番好きなキャラクターはすぐ回答できますが、東方で一番好きな曲は何か、と聞かれたら数日は悩み続けると思います。ここに羅列できないくらい名曲揃いです。

 

特にWin版東方2作目である「東方妖々夢」はほぼ全曲が名曲なんじゃないかってくらい好きですね!ラスボスである幽々子戦のBGMはその弾幕の美しさも相まって、プレイの度に鳥肌が立ちます。

 

ちょっとBGMの良さは言葉で言い表せるものではないので、是非何かの機会に聞いてみてください。

参考になるかは分かりませんが、2020年度非公式BGM人気投票の結果URL貼って置きますね。

 

toho-vote.info

 

弾幕について

そもそも弾幕シューティングってなんじゃい!普通のシューティングと何が違うんじゃい!って人もいると思うんですが、普通のシューティングと比べると敵の弾の数がめちゃくちゃ多いんですね。画面を埋め尽くす勢いで弾がばらまかれます。

その代わり、それを回避できるように、操作キャラの当たり判定は見た目よりも非常に小さくなっており、弾と弾の間をすり抜けられるようになってます。

 

弾幕シューティングとしての弾を避ける楽しさはもとより、東方の弾幕見栄えにもかなりこだわっているんですよね。バエですバエ。

ボスキャラクターがイメージに合った形の弾を撃ってきたり、スペルカード(必殺技みたいなもの)の名称に沿った形に弾が展開されたり、ですね。

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フランちゃんのスペルカード【禁忌「恋の迷路」】は迷路状に潜り抜けられるように弾が散りばめられる

 

これがね~前述のBGMと合わさると本当に心に残るんですよね~~

個人的には東方のBGMって単体でも素晴らしいんですが、弾幕と合わさることで完成するというか、魅力が倍増するようになってると思うんですよね。

特にラスボス戦は毎作BGMと弾幕の親和性が高くて盛り上がりがすごいです。

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東方妖々夢ラスボスの最終スペルはBGMや演出込みでトップクラスにすき。

 

東方は二次創作しか知らないって人も結構いると思いますが、東方の曲を好きなら是非弾幕と合わせて楽しめる原作をやって頂きたい!

 

 

■二次創作について

東方の人気が出たのって正直二次創作の影響がめちゃくちゃでかいんですよね。私自身ニコニコ動画で何かしらの二次創作から入ったと記憶してます。

 

というのも、東方って二次創作にかなり寛容なんですよね。

東方キャラを用いた漫画やイラスト、作中BGMを元にしたアレンジ曲、それらを含んだ同人ゲームまで、本当に様々な作品があります。同人ゲームがここまで作られてるジャンルって他に無いんじゃないかな…

 

東方アレンジ曲なんかは同人でCDも沢山出てるし、なんならカラオケ入りしている曲もかなりの数あります。私も最近のは詳しくないですが、当時は色々なアレンジBGMやアレンジボーカル曲を聞き漁ったもんです…(遠い目)

 

2014年には「ZUN×PlayStationプロジェクト(今はPlay,Doujin!に改名)」なんて企画も出て、PS4PSvita、更にはニンテンドースイッチでまで、東方の二次創作ゲームが販売できるようになったりもしました。すごい時代になったもんです。

実際かなりクオリティの高い二次創作ゲームも多くて、原作だけでなくこっちでもかなり楽しめます。

 

ただまぁ…東方好きだけど二次創作しか知らないって人が沢山いたり、ジャンルが大きい分厄介オタクみたいな人が目立ったりするので、東方を知らない人からは煙たがられやすいジャンルになってしまっていたりもします。

煙たがる前にちゃんと中身を知ってほしいって想いはあるのですが、苦手な人がいるジャンルに近づきづらいっていう気持ちも分からないでもないので難しいところですね…

 

それはそうと、二次創作流行の理由の一つとして、東方原作ってイラストはそこまでかわいい!美しい!ってわけではない(諸説ありますねぇ!)で、二次創作イラストの需要がとても大きいって事情もあります。

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原作イラストだと小傘ちゃんがとてもすき。かわいい。

 

■最後に

東方って名前は知ってるけど興味な~いって人は沢山いると思うので、ちょっとでも興味持ってくれる人がいたらいいなぁなんていう気持ちも込みで記事を書いてました。良くない偏見抱いてる人の誤解も解けたらいいなぁみたいな。

 

二次創作からでも気軽に入りやすいジャンルですし、原作も今はダウンロード販売されていて簡単に手に入れられるので、気になるキャラクターとかいたら触ってみてもらえるとうれしいです!

 

そのうち東方原作の配信なんかもやってみたいなぁ…コメント拾ってる余裕とかなさそうだけど。ノーマルシューターがノーコンクリアがんばるのを眺める配信。

 

東方は原作者が今でも活発に活動してるので、ジャンルとしてもまだまだ先がある作品でしょうから今後も楽しみにしてます。まぁ最新作はまだやってないんですけどね!

ドラゴンクエストⅦの話

ゲーマーならば誰もが知る「ドラゴンクエスト」シリーズのナンバリング7作目の感想記事というか思い出語りみたいな記事です。サブタイトルは[エデンの戦士たち]。 

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2000年8月にプレイステーションで発売されたソフトですね。2013年にニンテンドー3DSでリメイク版が発売され、そのリメイク版が2015年にはスマートフォンアプリとしても配信されています。(私はPS版のみプレイしました。)

 

私はドラゴンクエストシリーズについて、ナンバリングはⅠ~Ⅷまで、関連作品としてモンスターズの1、2(原作・リメイク両方)、キャラバンハートをプレイしていますが、その中で一番好きなのがⅦなので、今回記事にしようと思ったわけですね!

(ナンバリングを好きな順に並べると、7 > 6 > 5 > 3 > 2 > 4 > 1 > 8ですね。

 Ⅷで合わずにシリーズを追うのを辞めてしまったので、Ⅸ以降はよぐわがんにゃいです。)

 

 

まずいつもの項目別に個人的評価から(最高★6つ)

PS版の話です。

■シナリオ   …★★★★★★

■BGM    …★★★★★☆

■キャラクター …★★★☆☆☆

■システム・UI…★★★★☆☆

■グラフィック …★★★☆☆☆

■ゲームバランス…★★★★☆☆

■ボリューム  …★★★★★★

 

このゲームはシナリオが大好きなので、他の項目の話は薄味になると思います。

ちなみにPS版のスクリーンショットなんて無いので、画像なんて気の利いた編集はありません。

 

■シナリオについて

まずはじめに、本作は「ドラゴンクエスト」シリーズの中でも異色のシナリオなので、かなり評価が分かれる内容になっています。

というのも、大筋としては「魔物に支配された大陸を開放しつつ、最後には魔王を倒す。」という王道のドラクエそのものなのですが、その道中がオムニバスストーリーのようになっており、大陸内で完結する独自の物語が多数存在しているんですね。

 

物語のあらすじとしては、世界に存在する唯一の大陸「エスタード島」に住む主人公が、親友のキーファ王子と、幼馴染のマリベルと共に、謎の遺跡の台座にふしぎな石板をはめ込んだところ、見知らぬ世界に飛ばされる…というところまでがプロローグになると思います。

エスタード島は魔物が存在しない平和な大陸のため、この見知らぬ世界に飛ばされるまでは、戦闘が一切ないわけですが、なんとこの初戦闘まで普通にプレイすると余裕で2~3時間はかかります。(なんかリメイク版だと省略されたらしいですね。悲しいね。)

まぁつまり主人公たちは、勇者やその子孫、或いはその関係者でも無いどころか、戦いなんて全く無縁の平和な世界の一般人として物語が始まるんですね!見知らぬ世界に飛ばされた際、魔物「スライム」に初めて遭遇した際もビビりまくります。

 

ここからはネタバレが入ってくるのですが、この見知らぬ世界、実はかつてエスタード島と同じ世界に存在していたが、魔物に滅ぼされてしまい、現代には存在しなくなってしまった大陸なんですね。

本作の流れは、石板を探し、謎の遺跡に石板をはめ込んで、現在は滅んでいる大陸の過去へ飛び、魔物が大陸を滅ぼすのを阻止して、現在に大陸を呼び戻していく、という過去改変ものになります。

 

そしてここがこの作品のミソなのですが、主人公たちは様々な「これから滅びゆく大陸」に足を踏み入れていくことになります。つまり、訪れる大陸のほとんどが滅びに向かう道中なため、陰鬱な雰囲気であることが多いんですね………バッドエンドの未来が確定してる話、いいよね………

しかも前述した通り、主人公たちは勇者ではなく一般人ですからね。今作から追加された仲間と「はなす」コマンドで、都度色々な想いが聞けます。その際の仲間との会話で感じ取れるのは、怒りであったり、不安であったり、やるせなさであったり様々です。

何が言いたいかというと、本作ドラクエ7は、バッドエンドシナリオの詰め合わせなんですね!(もちろんほとんどの大陸は主人公たちがそのバッドエンドを回避へと向かわせます………まぁ回避した結果がハッピーエンドとは限りませんけど)

 

例として一番初めに主人公たちが訪れる「ウッドパルナ」地方のシナリオをまとめてみますね。細かく話す都合ちょっと長いので、該当部分の色変えときます。

遺跡から突然見知らぬ土地に飛ばされ、突然襲ってきたバケモノ(魔物)をなんとか撃退した主人公たちは、道すがら「マチルダ」という女戦士がお墓に雑草を添えている場面に出くわす。聞けばこの土地では花が咲かず、雑草しか供えられないのだとか。マリベルが偶然持っていた花の種をそこに植えたあと、マチルダは近くの村まで主人公たちを護衛してくれたあと姿を消した。

 

到着した村では村民たちが自ら村を破壊していた。魔物が村の女性を人質に取り、村を破壊するよう命じているそうだ。この村では一つの英雄譚が聞ける。この村は以前にも一度魔物に襲われていたが、英雄「パルナ」が自身の命と引き換えに魔物を討伐した、というもの。

しかしこの英雄譚の真相は、本当はパルナには「他の村人たちも後から援軍に向かう」と約束していたが、みな恐怖から約束を守らず、パルナ一人に戦わせ、戦死させてしまった、というものだった。

 

そんな話を聞きつつ、主人公たちは魔物討伐に失敗して負傷した村の戦士「ハンク」に出会い、その息子「パトリック」に頼まれて、偶然再会したマチルダの力を借りつつ、ハンクの傷を癒すアイテムを入手し、ハンクを復帰させる。(この際、なぜかマチルダは兄の形見である木の人形を、もう不要だからと主人公達に授けて去ってしまう)

回復したハンクと共に、主人公たちは人質の女性を救出するため、村を支配している魔物の住む塔へ向かうのだが、そこで待ち構えていたのは、今まで助けてくれたマチルダであった…

 

チルダの正体はかつて村を救った英雄「パルナ」の妹。当時村人たちが彼を助けにいかない中、ただ一人パルナを追って駆けつけたところを、魔王に言いくるめられ、兄を見殺しにした村民への恨みに駆られた結果、その身体も心も魔物へと変えられてしまったのだ。

 

村の女性を攫い、村の破壊を命じていたのはマチルダだったわけだが、見知らぬ人の墓に雑草を供えたり、主人公達を助けてくれたのは、自分を討伐にきたハンクの後を追ってきたパトリックに自らの境遇を重ね、人間であった頃の心を取り戻していたから。

その事情を知り、ハンクは「村の女を返せば命は奪わない」と取引を持ちかけるが、人質の封印はマチルダの命を絶たねば開放されないと知り、ハンクの手で魔物は討伐されることになる。

 

人質は解放され、村民は村を壊さずによくなり、平和が訪れるのと同時に、マチルダが雑草を供えた墓の周りには、マリベルが渡した種から花が芽吹いていた…

 

「花が ……咲いたね。
 ……これなら
 マチルダさんも
 きっと よろこんでくれるね。」

 

という話ですね。これが数時間かけてようやく始まった冒険の初っ端に見るシナリオって正気か!?!?

確かにバッドエンドは回避されましたが、全くハッピーな結末ではないですよね。

こんな感じのシナリオが沢山あります。そういうゲームです。(全てが鬱々としたシナリオってわけではないです。純粋に悪い魔物倒したり、なぜか昼ドラ展開見せられたりするのもあります。)

 

大団円ではない、どこか報われないお話しが好きな人にとっては、こんなシナリオを沢山見ることができる神ゲーとなるわけですね。

私が特に好きなシナリオは以下の通りです。それぞれ軽く語らせてください。

ウッドパルナ】 【ダイアラック】 【フォロッド】 【ダーマ】 【ルーメン】 【レブレサック

 

ウッドパルナ】の話

ストーリーは前述した通りです。冒険が始まった途端にこんな報われない話を見せられてドラクエ7に魅せられちゃいましたね。(激うまギャグ)

 

BGMの項で少し後述しようと思いますが、初めて訪れる村で流れるBGMがめちゃくちゃ哀しい曲なんです。RPGで冒険に出て最初に訪れる町で流していい曲じゃないでしょってくらい。

 

そして前述した通り主人公達は一般人なのもあって、マチルダさんと戦うときもかなり動揺してしまうんですよね。キーファは「ほんとうにマチルダさんと戦うのかよ!?」マリベル「…どういうこと?なんなのよ、これは……」といった反応になってます。

戦闘中の「はなす」システムでこの辺りの心情が伝わってくるのが本当に素晴らしいですよね。

 

ドラクエ7がどういうゲームか伝えてくれる良シナリオです。

 

 

ダイアラック】の話

村の人々が一人の老人を除いて全員石化してしまっている町ですね。主人公達が町を訪れたときには全てが終わってしまっていて、もう町の人々を救うことができない話です。

 

石化の原因となった「灰色の雨」から偶然逃れて一人生き残った「クレマン」が、長い時間をかけて石化を治すアイテムを手に入れるも、その時には既に風化が進んでしまい、誰も治すことができなかった…というところに主人公たちが訪れるわけなんですが、この時の雰囲気がま~~~こわい!!完全に廃れきった町で人間がみんな石化してるんですもん。

そして町の宿屋(無人)に泊まった深夜に目が覚めて、何故か光っている石化した人々に触れると、石化当時の記憶を住人全員分見せられるとかいう心折設計。水不足で久しぶりの雨に喜ぶ人々がだんだんと身体が動かなくなっていく様を見せつけられます。

 

結果的には当時地下にいたおかげで石化後の風化を逃れていた少年を一人救うことが出来るわけですが…

今作で最も無力感を味わうシナリオだと思います。

これ3つ目の大陸らしいですよ。ウッドパルナの後エンゴウで精神休まったでしょ?みたいなノリでこんな話見せてくる。

 

 

【フォロッド】の話

今までに訪れた大陸と比べると広い舞台になっていて、「からくり兵」という殺戮兵器の侵攻に抗う国の話です。

 

まずこのシナリオ、「人間」と「からくり兵」の戦争のような形で描かれていて、主人公達が訪れてからも結構な数の人々が命を落としていきます。

その戦争の厳しさに加えて、戦争を指揮する兵士長「トラッド」の弟である「ゼボット」に関するお話しもとんでもなく重いので、二重に重たいシナリオになってるんですよね。

 

婚約者「エリー」を事故で亡くしてから[永遠に死なない存在]を求めたゼボットが、故障した「からくり兵」を改造してかつての婚約者の名前を付ける…とだけ書くと狂気の行動に見えますが、意思の無い「からくり兵」という存在自体に恐怖や憎悪を抱く人間や、結果的に戦争勝利の立役者となった改造からくり兵「エリー」に対しての人間たちの仕打ちを見ると、何が正しいのかが分からなくなってきます。

 

そしてこのシナリオは大陸を救って現代に帰ってきてからも、なおメンタルアタックしてくるのがまたすごいとこなんですよね。

 

 物言わぬ屍となったゼボットに死の概念が分からずにスープを作り続けるエリー。

 ゼボット一族の子孫をゼボットと勘違いして喜んで走り寄るエリー。

 勘違いから人間に破壊されるエリー。

 エリーを修理してゼボットの元へ帰してあげた主人公達に、感情を持たないはずなのに「ア…リ…ガト…ウ。えりー ウレ…シイ……。」と伝えてくるエリー。

 しばらく後に再訪したらゼボットの亡骸の横で機能停止してるエリー。

 

つらいね。

 

 

【ダーマ】の話

序盤の山場ですね!ダーマ神殿を占拠し、職業に就くために訪れた冒険者たちを騙して能力を奪う魔物たちと、能力を奪われたかつての冒険者たちが押し込まれる「ふきだまりの町」の住人達の話です。

このシナリオは前述したものよりは鬱々としたそれではないんですが、登場キャラクターが濃くて結構好きな話です。ふきだまりの町を取り仕切る圧倒的強者の「スイフー」とか、心優しいのに弟を救うために魂砕きを手にして主人公と戦う「ネリス」とか、幼くして大神官を務める「フォズ(かわいい)」とかいいですよね。

呪文や特技を封じられたり、負けイベが2回あったり、味方となるNPCがたくさんいたり、強制戦闘回数が多かったりと、何かと印象に残る大陸です。

あと全体的にドラクエ6のはざまの世界っぽいのも好き。

 

【ルーメン】の話

物語の結末が分岐するという他にない大陸です。分岐次第では非常に後味の悪いものになります。まずこの大陸、3回も危機を救ってやらなければ現代に復活しないんですよね。

最初は「やみのドラゴン」に占拠されていたから倒したのに、現代に戻ったらルーメンが滅びてて「なんで!?」ってなるわけです。

 

もう一度過去のルーメンに訪れると、大量の触手に住人が襲われている。主人公達の目の前で触手に縛られて地中に引きずり込まれる住人にはちょっとびっくりしますね。

どうやら「やみのドラゴン」を倒したことで大陸に光が戻って、昔からこの大陸にいた植物モンスターの「ヘルバオム」が復活したんですって!んでこいつも倒して現代に戻ったらまたルーメンが滅びてて「なんで!?!?」ってなるわけなんです。

 

またまた過去のルーメンに行くと、特に事件は起きていないんですが、ヘルバオムの根っこにくっついていた虫を「チビィ」と名付けてペットとして飼ってる住人がいるわけですよ。いや明らかにでかいイモムシ系のモンスターじゃん。絶対怪しいじゃん。他の住人もみんな不安がってるぞ。

住人たちがその飼い主にチビィを町の外へ追い出すように抗議しに行った際、責められる飼い主を守るようにチビィが前に出てくるんですよね。プレイヤー的には(あれ、案外いい子じゃん)ってなるんですが、住人はバケモノが襲ってきたと大騒ぎし出して、主人公にチビィの退治依頼をしてきます。

 

ここで物語が分岐します。「チビィを逃がす」か「チビィを退治する」か。エーデルガルトについていくか。

 

まずチビィを逃がした場合、直後にヘルワーム(チビィそっくりのイモムシモンスター)が大量に町を襲撃してきます。そしてチビィの飼い主と主人公たちが大群に包囲されたところにチビィがやってきて、身を挺してヘルワームの群れを退けるも、チビィは命を落としてしまう…

この選択の場合、町の人々は過ちに気づいて、チビィを勇者として伝え残すことになります。現代のルーメンも今度は滅んでいません。

 

そしてチビィを退治する場合、飼い主の目を盗んでチビィを退治した直後、ヘルワームの大群が町を襲撃。主人公たちと飼い主は、いくら倒しても湧いてくるヘルワームから逃げ隠れて一夜を明かして町へ戻ると、住人は誰一人として生き残っておらず、町は滅びてしまっていた…

この選択の場合、現代のルーメンも滅びたままとなります。

 

ということで、なんとプレイヤーの判断次第で町が滅びる可能性があるシナリオなんですね!まぁ住人や仲間の話を聞いていれば、チビィが悪いやつではないとはわかるんですが、何かが起きてルーメンが滅ぶことを知っていて、その要因となりそうなものがチビィしかいないので、人によっては退治してしまうと思います。

そもそもドラクエの選択肢なんて「はい」って答えるまで「いいえ」って言い続けられるでしょwみたいな軽い気持ちでプレイしてると地獄を見る羽目になるシナリオですね。

 

レブレサック】の話

恐らく今作で最も有名なシナリオですね。

魔物が作り出した濃霧と、濃霧の調査に行ったまま行方不明になった神父の代わりに教会に住み着いたバケモノに悩まされる村の話です。

 

まぁ経緯は省きますが、このバケモノは以前濃霧調査に出た神父その人であり、魔物に「お前の姿をバケモノにする代わり、村人には手を出さない」という取引を持ち掛けられた結果の姿なのでした。

それを知った主人公たちは神父をバケモノにした魔物を退治するわけですが、魔物を退治している間に村人たちはバケモノ(の姿をした神父を)磔にして火炙りにかけようとするんですね。寸でのところで主人公たちが助けに入り、村人に真実を説明する内に、魔物の力が消えて神父は傷だらけの状態で元の姿に戻ります。

しかし人間が出来すぎている神父は、「村人が自分と顔を合わせると罪悪感を抱いてしまう」ことを懸念し、傷だらけの身体を引きずり、村を出ていってしまいます。それを知った村人たちは強く反省し、その後悔を胸に刻むのでした…

 

という、報われない神父と反省する村人のお話………で終われば良かったんですけどね!!

 

復活した現代のレブレサックに向かうと、「村を襲ってきた主人公達を、村人と神父が力を合わせて退治した」といった捻じ曲がった伝承が残されており、村人のために村を去ったはずの「偉大なる神父様の墓」なんてものまで建てられている。

そして村を探索していくと、地下に正しい歴史を記した石碑が見つかるわけですが、これを村長に見せて誤解を解こうとするも、「村のためにはこんなものあってはならないんですよ」と正しい歴史が記された石碑を破壊し、過去を記したものなど何もないからとっとと出ていってくれと追い出されます。

 

他にも細々としたことはあるんですが、この後も村長は改心せず、過去現在含めてレブレサックの住民が間違いを改めたり、報いを受けたりすることも無いという、実に胸糞の悪いシナリオになっています。

 

色々胸糞ポイントはありますが、自分にとって都合の悪い証拠を消してのうのうとしている村長、あまりにも現実にありがちなクズっぷりで一番腹立ちますよね。

リアルでもこういうクズいるわ!ってなります。クズのお手本過ぎて、子供の知育教材としてレブレサックのシナリオ読ませたいですね。こんな大人になってはいけないよって。

 

 

長くなりましたけど、シナリオのお話はこんな感じです。色々な意味で心に残るシナリオが沢山あるゲームですね!

もっと細かく知りたいって方は、「ドラゴンクエスト大辞典を作ろうぜ!!wiki」の該当項目読んでみると良いですよ。いい時間つぶしになります。

wikiwiki.jp

  

■BGMについて

ドラクエシリーズの例に漏れず全体的にハイクオリティですね!戦闘曲なんかは過去シリーズと同じく躍動感があります。

…ただですね、前述した通りね、この作品ね、シナリオがね、めちゃくちゃ重いんですよね。本作で個人的に最も印象に残っているBGMは「哀しみの日々」っていう曲です。公式で視聴などができないので各自聞いてほしいんですが、めちゃくちゃ陰鬱な曲です。

検索画面のURLなら…セーフやろ…

https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%93%80%E3%81%97%E3%81%BF%E3%81%AE%E6%97%A5%E3%80%85

 

悲しいシーンで流れる曲なんやろなぁ…って思うじゃないですか。これシナリオで訪れるほとんどの町で流れる基本BGMらしいですよ!!王道RPGの町中でこんな鬱々とした曲を流すな!!!!!好き!

 

 

■キャラクターについて

今作から探索中や戦闘中に「はなす」コマンドで仲間と会話することができるようになったので、キャラクターの掘り下げが過去作よりも非常に多くなっています。

シナリオが心動かされるものが多いので、キャラクター達もその都度色々な想いを口にしてくれるんですね。

それと、冒険に慣れてくると戦闘中の会話が変わってきたりするのも凝ってるんですよね。どの辺からか自信無かったので調べたら、フォロッド攻略後辺りから戦闘中の「はなす」コマンドで聞ける会話が強気なものが増えていくみたいです。

 

ただその掘り下げに反して、本作のキャラクターはシリーズの中でもあまり人気があるとは言えないんですよね。私自身好きなキャラはマリベルとフォズ大神官くらいです。この二人はめちゃくちゃ好きだけど。

 

家族も親友も全部放っぽりだして一目ぼれした女のケツ追いかけて永久離脱する王子さぁ……しかもその女と婚約関係だったジャンからの横恋慕ってお前……

せめて食わせたちからの種を苗木にして育てといて現代で収穫できるようにしといてくれ…

 

アイラも正直その……かわいくないし……

メルビンも正直その……そんなに魅力ないお爺ちゃんだし……

ガボはまぁ……いい子だよね。

フォズ大神官なんで仲間になってくれないの…

 

そんな中マリベルは本当にかわいいですよね。当時ツンデレなんてまだ全然流行していなかった時代にあのキャラ作れたのはすごい。

ツン9割デレ1割なワガママお嬢様っぷりだけど、時折主人公に好意のようなものを見せたりしてくるのずるいですよね。戦闘中やたらテンション高くなりがちなのもかわいい。

毒舌家ではありますが、とても感情豊かで、胸糞悪いイベントの時はプレイヤーの代弁かのように怒ってくれるし、なんだかんだ他者の悲しみに寄り添える優しくて思いやりのある子なのも見えてくるんですよね。「はなす」コマンドはこの子のためにあるといっても過言じゃないレベル。

「死が かならずしも その人の価値を なくしちゃうとは かぎらないわよ。もし アルスが死んでも あたしは きっと アルスのこと 忘れないもの。」

「あたしが 死んだら アルスは あたしのこと ずっと おぼえててくれる?」

 

ちなみにドラクエ無双こと「ドラゴンクエストヒーローズ2」で参戦した際のCVは悠木碧さんです。ぴったりなのでマリベルファンはやろうね。

 

なんかマリベルの全セリフまとめた狂気的なサイト見つけたので貼っときますね。

sutton-kyouwa.com

 

 

 

フォズ大神官の話は個人的な性癖の話にしかならないのでしません。

 

 

■最後に

項目めっちゃ飛ばしました。ゲームバランスとかグラフィックとか、リメイク版と色々変わってそうだしね。

このゲームはドラゴンクエストとして見るとかなり異質なシナリオではありますが、この異質ささえ好みに合えば、他はBGMもシステムもゲームバランスもドラクエの良さをそのまま持っている上、ボリュームはシリーズ最大クラスな作品なので、非常におすすめです。

ハッピーエンドではないお話が好きな同志には是非やってほしいですね!!

 

ちなみにドラクエでは7と6が突出して好きなので、気が向けば6の話もしたいです。

 

 

余談ですが、ドラクエシリーズで一番かわいいのはターニアとフォズ大神官の二強だってことは知っておいてください。

ユグドラ・ユニオンの話と宣伝

Twitterの文字数制限に縛られない場を得られた今、自称ユグドラユニオン宣伝部長としてこの記事を書くのは使命だと思いました。

誰が読むんだこれってくらい長いです。

 

当初2006年にGBAで発売され、2008年にいくつかの追加要素を加えたリメイク版がPSPで発売された作品で、ジャンルはSRPGとなります。

そしてPSP版から実に11年の時を経て、HD化およびおまけ要素を追加したiOSAndroid用のアプリ版として発売され、更に翌年2020年にはswitch版まで発売されております。いつでもだれでも気軽にできますよ!

なお、アプリ版及びswitch版の販売価格は\1,980円となります。

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まず項目別の個人的評価です。(最高★6つ)

■シナリオ   …★★★★★☆

■BGM    …★★★★★★

■キャラクター …★★★★★★

■システム・UI…★★★★★☆

■グラフィック …★★★★☆☆

■ゲームバランス…★★★★★☆

■ボリューム  …★★★☆☆☆

 

 

■シナリオについて

物語のあらすじとしては、王女ユグドラの住む「ファンタジニア王国」が、炎帝ガルカーサ率いる「新生ブロンキア帝国」に侵攻を受け、王国が陥落。王の計らいで「聖剣グラン・センチュリオ」と共に一人逃げ延びたユグドラが、危機を救ってくれた盗賊王ミラノと共に、王国再興に向けて戦い始める…という、ファンタジー戦記ものとしては実に王道。

なお、ゲーム内において、お話しは大枠のChapterと、小枠のBattle Field(以下BF)で区切られています。※BFはファイアーエムブレムでいう「章」に相当。

 

ここからはシナリオのネタバレになってきますが、このゲームの「かわいらしいデザインの王道もの」というイメージは、Chapter2から少しずつ崩れていくこととなります。

Chapter2では、友好国であるウンディーネ族の国に協力を求めるために向かうものの、ウンディーネ達は種存続のために必要な「転生石」を人間に盗まれ、「代わりに人間の生き血で生き永らえることができる」という情報を元に、人間を襲っていた。ユグドラ達はこれを止めるためにウンディーネの女王と話しをするも、女王の元にたどり着くためにユグドラ達もウンディーネ達の命を奪っており、もはや引き下がることが出来ないところまできてしまったと判断した女王とも殺しあうこととなる。その結果、ウンディーネ族の国はユグドラ達の手によって滅亡することとなるのであった。

これはBF7という序盤のお話しであり、この後も争いを鎮めるために悪人ではない相手と命の奪い合いをしていくことになります。

 

そして物語中盤、ユグドラ達は王都奪還を成し遂げることになるのですが、その場で両親の仇である炎帝ガルカーサを前にしたユグドラは、復讐に駆られて単騎突貫し、敵の罠で捕らえられることになるんですね。普段は少し世情に疎くて天然気味のお姫様であるユグドラが激昂するシーンは見ものです。

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この後は紆余曲折の末、盗賊王ミラノが中心となってユグドラの救出に成功することになるのですが、帝国には世界を混沌に落としうる力が存在することを知ったユグドラ達は、今度は帝国に攻め上がることを決意します。そしてここからの描写こそが、このゲームのシナリオの真骨頂であると私は思っています。

 

ゲーム終盤は帝国領地での戦闘が主軸となるわけですが、「帝国の領地へ攻め入る王国軍」を綺麗ごと無しで描写されるんですよね。自国を守るために戦う帝国の将兵を倒して辿り着いた帝国領内では、帝国の民たちが民兵として立ちはだかります。これは徴兵された兵士ではなく、自分の国に「侵略してきた敵国」である王国軍に反抗するために自分の意志で立ち上がった者たちですね。

そしてこの民兵たちと戦うだけのBFがあるのですが、これがま~~~えげつなくて、ゲーム終盤にも関わらず敵のレベルが全員めちゃくちゃ低いんですよね。兵士としての訓練も受けていないただの国民ですからね。当然ユグドラ達も投降を促すわけですが、自らの意思で国を守るために立ち上がった者たちが、敵国の侵略を許すために投降などするはずもなく……帝国の将兵が民を守るために駆けつけるも間に合わず、民兵たちは全員命を落としてしまうのでした。

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これを受けてユグドラは戦争とは何なのか、戦う意味を見失いかけてしまう訳ですが、そんなユグドラが最後まで戦う決意を固めるきっかけが、特攻で命を散らして道を切り開いた仲間の死っていうね……

 

帝国侵攻からのエピソード語りだしたら止まらないのでこの辺にしときますけど、このゲームには戦争を起こそうと暗躍したものはいるけれども、王国と帝国の戦争には正義も綺麗ごともなくて、互いの意思のぶつかり合いでしか無いんですよね。(あれ、どこかで聞いたことあるな…? もしかして → 風花雪月)

 

帝国との戦争が終わった後はちゃんと黒幕も倒しますよ!(その後の選択次第では分岐ですごい方向に矛先持っていくけど)

 

ちなみに本作の黒幕や隠しボスが主に関係してくる話なのですが、このゲームは開発元であるSTING社の「Dept Heaven Episodes」という、共通の世界観をもったシリーズものになっています。といっても用語や世界観が同じというだけで、ストーリーが繋がっているわけではないのですが…

具体的にはシリーズ作品に登場する「神界」と「冥府」は全作共通の場所で、その間に複数の地上が存在し、それぞれの地上で作品が完結している、といった感じです。

シリーズの他作品には「Riviera~約束の地リヴィエラ~」「ナイツ・イン・ザ・ナイトメア」「グングニル-魔槍の軍神と英雄戦争-」があります。本作ユグドラ・ユニオンは最終盤に出てくる神界関係の描写から、リヴィエラの過去のお話しということになります。

 

 

■BGMについて

戦闘BGMがとにかくかっこいいです。OPもすき。

このゲームはスパロボみたいに戦闘を仕掛けたキャラクター別に戦闘BGMが準備されているんですが、これがどいつもこいつも良曲揃いなんですよほんとに。

一部の敵にも専用BGMがあります。

好きな曲絞れって言われても10曲くらい挙げちゃうので、好きな順位とかではなく1曲だけに絞って話しをすると、「キリエ出撃!」という曲について。

名前の通りキリエというキャラクターの戦闘BGMなんですが、このキャラクターは盗賊王ミラノの幼馴染なのもあって、ミラノの戦闘BGMのアレンジになっています。ただそのアレンジが、うまく表現できないんですが少し物悲しい感じなんですよね。

作中のキリエが辿る運命が実に報われないものなので、このアレンジがね、心にね、刺さるんですよね…

 

あと敵のBGMでは「ガルカーサ出撃!」が特に好きです。いかにも大物って感じの重厚感で、敵としての強さも相まってめちゃくちゃ心に残りますね。ドラゴンの足音が聞こえる聞こえる……抗ってみせろ!

 

足音の話をしましたが、SE(効果音)も結構好きです。剣戟音や足音がいちいち小気味良いんですよねこのゲーム。

 

 

■キャラクターについて

味方はもちろん、前述したシナリオの通り、自国のために戦う敵側もめちゃくちゃ魅力的です。

天然気味で世間知らずなお姫様のユグドラが、戦争の中で人の命を奪う重みや、上に立つ者として責任の重みを知っていくの好きです。あと純粋に馬鹿デカい剣振り回すお姫様いいよね…

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このゲームはフルボイスではないのもあってか、戦闘会話やアイテム関連のセリフがキャラクター毎に沢山準備されていて、特定キャラ相手の戦闘で特殊セリフがあったり、アイテム取得時・使用時にはアイテム別にキャラクター個別のセリフがあったり、そのアイテムの好き嫌いが全キャラに設定されていたりと、ゲームをやっていく上でどんどん個性が見えてきます。

 

また、敵キャラについて、このゲームは序盤~中盤では(主に帝国の)敵将は撃破しても撤退し、幾度も戦闘することになるのですが、終盤の帝国侵攻からは続々と戦死していきます。ただ、ここまで来ると敵側の信頼関係がどんどん見えてくる上、民や主君を守るために戦う敵将を相手にすることとなるため、倒すのが非常に辛くなってくるんですよね…民兵達を守るために駆け付けた14歳の少女を泥まみれの湿地帯で殺さなきゃいけないのどうしてなの…

 

好きな味方キャラはユグドラ、ミラノ、ロザリィ、ミステール、パメラ、キリエ

好きな敵キャラはガルカーサ、エミリオ、アイギナ、イシーヌ、367号

それぞれのキャラについて細かく語りたいところですが、とんでもない長さになりそうなので、この中でも特に好きなアイギナの話だけしようと思います。ネタバレしかしないよ!

 

このアイギナというキャラクターは、物語序盤から度々ユグドラ達の前に立ちはだかる女剣士で、「神出鬼没の戦乙女」の異名を持っており、帝国軍での立ち位置は炎帝ガルカーサの親衛隊です。18歳の金髪碧眼で、物語中盤には片目を射抜かれるため、終盤は顔に包帯を巻いて登場します。

アイギナはユグドラとの戦闘時に特殊セリフがあり、「ユグドラ、覚悟はいいな!」「お前は…お前だけは認めない!」など、明確な恨みを抱いている描写が多くあります。

このキャラクターには大きな秘密が二つあり、一つは異名にもある通り「神出鬼没過ぎる」ところ。ゲーム中でもさっき戦ったばっかりじゃん!というタイミングで登場することがままあります。二つ目は、帝国兵士であるにも関わらず王女であるユグドラに昔から強い恨みを抱いていること。そしてそのユグドラと同じ金髪碧眼の持ち主であること。

そして物語終盤、ユグドラ達が帝都に攻め入った際に立ちはだかったのは二人のアイギナでした…。神出鬼没だったのは、双子の姉妹だったからなんですね。帝国軍内での二つ名は「双生の戦乙女」で、アイギナとは妹の名前なのでした。姉の名前はルシエナ

実はゲーム内でもちゃんと見分けられるようにできていて、髪型や鎧の色、髪飾りの向きなどが異なるため、意識していれば気づくことができるようになっています。そういった髪型や装備を除くと瓜二つで、帝国軍内でも見分けることができるのは、炎帝ガルカーサとその妹のエミリオだけだそうな。性格は妹のアイギナが若干感情的という設定になってます。

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そしてこの帝都での双子との戦いにおいて撃破すると戦死するのですが、姉が死んだときのアイギナの反応がね…普段は強気な騎士然とした彼女が、作中で唯一本来の女の子口調になって悲しむその姿にね…心打たれちゃいますよね…

ちなみにアイギナ撃破時およびルシエナ撃破時にこの二人のフルネームが判明するのですが、それぞれ「アイギナ=アイネ=アルトワルツ」と「ルシエナ=ルーン=アルトワルツ」といいます。ちなみにちなみに本作の主人公のフルネームは「ユグドラ=ユリル=アルトワルツ」といいます。…まぁそういうことです。

王国に忌み子として捨てられた二人を救ってくれたガルカーサには強い恩義を抱いており、王国への復讐心だけではなく、帝国のためにも戦っています。

最後には復讐を成し遂げることも、姉の仇を取ることもできず、実の妹に殺されることになるわけですが…

アイギナの話だけで1000文字超えたのでこの辺にしておきます。

 

 

■システム・UIについて

このゲームを作っているSTINGっていう会社は、ファンからは「変態システムのSTING」なんてイメージを持たれている会社なので、今作も例に漏れず他に見ないシステムを採用したSRPGになっています。余談になりますが、変態システムの詳細を知りたい方は「ナイツ・イン・ザ・ナイトメア」というゲームを調べてみてください。

dic.nicovideo.jp

 

さて本作の特徴として大きなものが「タクティクスカード」というシステムになります。

BF開始時には出撃キャラクターの他、BF毎に定められた枚数分のタクティクスカードを選択することになります。

このタクティクスカードには「Mov(機動力)」「スキル」「Pow(攻撃力)」が定められており、自軍のターンは、そのタクティクスカードを選択することから始まります。

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自軍のキャラクターは、ターン開始時に選択したカードの「Mov」分のマスしか移動させることができません。※Movは全キャラ共通のため、複数キャラを移動させたいならMovの高いカードを選ぶ必要がある。

そして戦闘に於いて発動条件を満たすことで「スキル」を使用することができるほか、戦闘勝利時に与えるダメージにはカードの「Pow」が影響します。また、「Pow」はそのカードでダメージを与えた分だけ成長していきます。

スキルが強いカードを積極的に使っていけば、戦闘を優位に進められるようになる上に、与ダメージまで増えてくれるわけですね。

但し、基本的に同一のカードは同BF中に1ターンしか使えません。(長いBFでは消費カードがリセットされることもある。)そのため、特定の強カードだけで戦い続けることはできないようになってます。

 

加えて特徴的なシステムとして、タイトルにも含まれる「ユニオン」システムがあります。

このゲームは1ターンに戦闘を行えるのは1回のみなのですが、この「ユニオン」はその1回を連戦にすることが出来るシステムですね。

戦闘を開始するキャラが「ユニオンリーダー」となり、女性キャラなら自分中心の十字方向へ、男性キャラなら自分中心のX字方向へ、ユニオンを展開します。そしてそのユニオン内にいる味方は、ユニオンリーダーの戦闘後に追加で戦闘を行えます。

勿論戦闘を仕掛けられる側も同じくユニオンを展開するため、複数人VS複数人の戦闘が行われるんですね。この際、ユニオン参加人数の少ない側は、多い側の人数分までハンデを負った状態で戦闘が行われるため、敵が強い場合は、複数人でユニオンを組み、且つ、敵側には少数のユニオンを組ませる布陣が重要となります。※SRPG特有の武器相性システムや、キャラ毎の得意地形等もあるので、人数増やせば良いってわけでもないですが…

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加えて、SRPGにしては珍しく、戦闘中も操作を行うゲームになっています。

戦闘では「通常作戦」「Aggressive作戦」「Passive作戦」の指示を出すほか、手動で「スキル」の発動を行うことができます。

Aggressive中はスキルゲージを消費しつつ攻撃力アップ。Passive中はスキルゲージを貯めつつ攻撃力ダウン。スキルゲージが最大になると、そのターン開始時に選択したタクティクスカードのスキルを任意で発動することができます。

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また、このスキルゲージはユニオン内で共有されるため、相性有利の戦闘ではゲージを貯め、相性不利の次戦闘でスキルを発動する、といった戦略が取れます。

 

 

また、装備アイテムのシステムも特徴的で、消費アイテムは出撃画面では使えず、出撃後に所持キャラが一歩歩くことで自動消費します。装備アイテムは出撃中常に効果を発揮しますが、装備毎に定められた回数出撃するまで外すことができず、規定回数出撃すると装備が自動で消滅するシステムになっています。加えて、それらのアイテムは装備させる以外の用途として、全て「兵士への報償」として回復アイテムとしても扱うことができます。

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アイテムをいつ誰に装備させるかだけでなく、回復アイテムとして使用することもできる…。ここでも戦略が重要になってくるわけですね。

 

 

ということで、キャラクターやカードの選択、マップの布陣、戦闘中の指示やスキル発動タイミング、アイテムの選択等、様々な戦略・戦術が重要となるシステムになっています。

頭使うのが好きな人にはとてもおすすめですね。

 

UIはキャラクターのステータスとか装備アイテムとか慣れるまで分かりづらいのと、マップの地形効果が見づらい等の不満があるので、ちょっと評価ダウンポイントでした。

 

 

■グラフィックについて

キャラクターデザインは前述した重い戦争を描いたシナリオとは異なり、「きゆづきさとこ」氏による非常にかわいらしいものになっています。こんなかわいらしいイラストで容赦なくキャラ死んでくの詐欺だろ…。

 

また、作中では沐浴シーンなるものが存在しており、主人公のユグドラが泉に浸かるシーンがあったりします。PSP版以降は身体のラインほとんど隠れちゃってるけど、海外版GBAだととてもえっち!(姫様けっこう大きいですね…)なんとこのイラスト、わざわざ海外版GBA原作を買わずとも攻略本で見れちゃいます。

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イラストはとても好きで、シナリオとのギャップも高評価でしかないのですが、主要キャラの専用イラストや差分が少ないのはマイナスポイントですね~。立ち絵がある味方や敵キャラクターも、ステータス画面を開くとほとんどが汎用キャラのグラフィックになってしまっているのは非常に惜しい。

また、戦闘中は表情差分があるのに、立ち絵の方ではその差分が活用されていないのもまた勿体ないですね。

 

次にドットキャラクターについてですが、これは本当に素晴らしいの一言ですね!戦闘中のドットキャラがとても綺麗で、ドット絵好きには本当にたまらないです。

ただこれも多くが汎用グラフィックの色変えになってしまっているのが惜しいんですよね~~~~予算の都合かしら……。

GBA時代のFEも汎用の色変えが主体だしまぁ仕方ないですね。

 

あとはタクティクスカードにもそれぞれ挿絵があるんですが、これもなかなかかっこよくて好きです!こちらは「戸部 淑」氏が担当されています。有名どころだと、「人類は衰退しました」の挿絵描いてる人ですね。

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グラフィックのクオリティは全体的に高いけれど、差分等の数で評価が落ちちゃうかな~~~という感じです。

 

 

■ゲームバランスとボリュームについて

前述した複雑なシステムからは想像できないほど、優れたゲームバランスであると思います。SRPGに慣れていない人にとっては難易度ノーマルでもそこそこ難しいものの、システムを理解して頭を使えば攻略ができるようになっています。(いつでもセーブ機能があるので、最悪ゴリ押しも可能です。)

難易度ハードの手ごわいシミュレーションっぷりは、いつでもセーブ機能を活用しない限り、システムをしっかり理解し、各種アイテムの入手方法も把握していなければ非常に攻略が難しいものに仕上がっているように思います。

 

但し確率で発生するクリティカルだけは本当にどうしようも無いです。Lukや装備で確立上下はありますが、ランダムで発生するクリティカルでその戦闘の勝敗が完全に決まってしまうのだけはもう少しどうにかならなかったのか…

(以前行ったゲーム配信では丁度よい塩梅に見せ場になってくれていましたが…)

 

キャラクターバランスとしては、所謂強キャラはいますが、一人で無双できるタイプのゲームでは無い上、BFクリア時のボーナスやドーピングアイテムなど、愛を注げるタイプのゲームなので、好きなキャラだけど活躍させられない…といったことは全くないです。

(難易度ハードを、本作で一番弱いと言われているキャラで単騎攻略した変態(つわもの)もいます。→クルス戦記)

 

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最終盤では主力は大体全能力カンストしがち。それでも楽になるバランスではないですけどね!

 

クリティカルを除けば非常に優れたゲームバランスなんですよね…

ボリュームとしては、慣れた状態で1周クリアまでのプレイ時間が25時間弱でした。大ボリュームではありませんが、長すぎず丁度いいボリュームじゃないですかね!

2週目限定の味方キャラクターも一人いるので、ノーマル一周、ハード一周と考えるとベストな長さだと思います。

(アイテムコンプとか狙い始めると相当時間食われそうですが…)

 

 

■最後に

私は本作をPSPからプレイしたのですが、当時まだネットや他人のレビューなんかは全く参考にしない人間だったため、このゲームを手に取れたことを本当に幸運だったと思っています。未だに最も好きなSRPG作品を聞かれたら本作を即答できるくらいです。

かわいらしいデザインとは裏腹の重い戦争を描いたシナリオに、各々の正義のために戦う魅力的なキャラクター達、様々な面で頭を使うシステムなど、本当に素晴らしいゲームです。

以前ファイアーエムブレム風花雪月の感想記事を書きましたが、風花雪月の戦争描写や戦争に対してのキャラクター描写が気に入った方は、きっとユグドラ・ユニオンも気に入ると思います。

ネタバレだらけの記事でこんなことを書くのもどうかと思いますが、もし興味を持った方がいらっしゃれば、スマートフォンやswitchで気軽にできますので、是非とも購入してやってみてください。実際にやってみないと伝わらない面白さが間違いなくあります。

 

本作を開発しているSTING社は他にも好きな作品を出しているのですが、大きい会社ではなく、公式から新情報が公開されただけでファンがざわめき立つほど活動が少ないので、少しでも貢献して今後も活動してほしくてちょくちょく宣伝してます。

本作の過去を描いた作品「ブレイズ・ユニオン」のアプリ&switch版が発売することと、「グングニル」のリメイクが発売することと、Dept Heaven Episodesシリーズの続編が出ることが私の夢です。

 

ここまで8500文字以上あるんですけど読んでくれた人はありがとうございます。暇人か????こんな記事に時間割いてくれてありがとうございます!!!!

 

今後とも「ユグドラ・ユニオン」およびSTINGをよろしくお願いいたします。

ゾンビランドサガの感想

先日見終わったアニメの感想記事です。

 

2018年10月から放送された12話構成のオリジナルアニメですね。

ジャンルはアイドルもの。

 

実はこのアニメ、放送当時に1話切りしちゃってたんですよね。

なんで叫んでヘドバンしただけでデスメタル好きに受け入れられるんだよとか、巽プロデューサーが中の人出しすぎて声優オタク向けか~?みたいな気持ちで。

 

それで、そのアニメ放送クールの中頃から、ゾンビランドサガが覇権アニメとして急に話題になり始めて、周りの知り合いも絶賛してて「まじか…読み誤ったかな…」なんて思いつつも今更見始める気にもならず忘れていたアニメでした。

 

そんなところに、先日からニコニコ動画のプレミアム会員に無料公開されてたので今更全話視聴しました。

結論から言うと、最っっっっっ高のアニメでした!!!  ~完~

 

 

 

 

 

いや本当にいいアニメ過ぎてびっくりしたんです。2話以降先に進むにつれてどんどん面白くなっていって、ぶっ通しで見てしまった。

 

■まずこのアニメ、ライブシーンは今どきのアニメでよく用いられるCGがメインで描かれているんですね。

CGで描かれるライブシーンってどうしても表情が硬かったり、なんとなく張り付いたような顔に感じたりしてしまって、今まで正直少し苦手でした。

ところがこのゾンビランドサガのライブシーンは表情がめちゃくちゃ活き活きしてるんです!柔らかい笑顔や満面の笑み、険しい表情や泣きそうな顔、かっこいい表情まで、CGのまましっかり描いてるんですね。まずここに驚いた!

 

 

■次にゴリ押しのようで意外と丁寧な展開。

このアニメの簡単なあらすじとしては、高校2年生である主人公の源さくらが、家を出た途端トラックに轢かれて死亡。10年後にゾンビとして謎の洋館で復活し、他の6人のゾンビ達と共に佐賀を盛り上げるためのご当地アイドルとして活動させられていく、というもの。

※ゾンビバレしないように、アイドル活動時は特殊メイクで生前と変わらない容姿になる。

 

話の流れは大体プロデューサーである巽が突拍子もない無茶ぶり企画を持ってきて、主人公のさくら筆頭にゾンビの仲間達とアクシデントをなんとか乗り切りつつもアイドル活動を行っていく、という感じ。

企画は無茶ぶりだし、特に序盤のアクシデントの乗り切り方のゴリ押しっぷりはすごいんだけど、始めはアイドル活動を頑張ろうとしていたのは主人公のさくらだけだったのが、少しずつ仲間と打ち解けて、他のゾンビ達もアイドル活動に取り組んでいく、という描写は丁寧に描かれていて、見進めていくとどんどんキャラクターを好きになっていくようにできてます。

全体の構成として見ると、12話しかない中でよくここまで丁寧にまとめたな~と感心するほど。謎のままで分からないことはあるのだけれど、消化不良感が全然なくて、「フラグあったし二期で説明されるといいな~」くらいの感覚です。

 

 

■そしてアイドルもので大事な楽曲

これがめちゃくちゃ良いんですね~~~アニメ見終わって速攻でベストアルバム買ってしまいました。

特に7話で初めて流れる「アツクナレ」は演出込みでめちゃくちゃかっこいいですね!元平成のトップアイドル[ゾンビィ3号]こと水野愛と、元昭和のトップアイドル[ゾンビィ4号]こと紺野純子がメインの曲です。

アニメ7話のライブでは当日の天候は雷雨。水野愛の死因はライブ中の雷直撃によるものであったため、トラウマによりまともに歌えなくなってしまうんですが、それをカバーするように、純子が普段のおどおどした様子からは想像もできないカッコいい歌声を披露するシーンは鳥肌ものです。

曲自体もそのイケボにぴったりなロック調のかっこいい曲でたまんないんですわこれが。

 

他の曲も名曲揃いだし、どの曲も専用の衣装があって、前述のCGのクオリティも相まってライブシーンが映えるんですね~~

まぁ一番好きな曲は最終話の「ヨミガエレ」なんですがこの曲の話は後述します。

 

 

■魅力的なキャラクターとその絆

このアニメに嵌った一番の理由は恐らくここですね!

アイドル活動を行うのはゾンビィ0号~6号までの合計7人のキャラクター達です。

全員望んで生き返ったわけでもなく、アイドル経験があるのは3号と4号のみ。そんな中で急にアイドル活動をやれと言われても、みんな乗り気になるはずがないわけですね。死んでるし何を今さらって話ですよね。

ちなみにゾンビ達は1号であるさくらを除いて、全員が生前の記憶を持っています。(たえちゃんは知らな~~い)逆にさくらは記憶が無いので、死んだ理由も、生前自分が何をしてたかも分かりません。

そんなさくらが、初ライブで何かを思い出せそうな懐かしい感覚を得たのもあり、他のゾンビを引っ張って何とか形にしていこうと頑張って、前述した意外と丁寧な描写でメンバーの絆を深めていくわけなんですね。

ま~~全キャラの話をしようとすると文字数えぐいことになるので、特に好きなキャラである[ゾンビィ6号]こと星川リリィ(こと豪正雄)と、最推しの[ゾンビィ1号]こと源さくらの話をしようと思います。

 

まずは星川リリィですが、実は最終話目前までこの子が一番好きでした。

メンバー最年少の享年12歳で、水色の髪をツインテールにして、頭頂部に大きな星型の髪飾りをしています。加えてゾンビ時はハート型にデフォルメされた心臓が飛び出してます。

生前は全チャンネルで主演を経験するほどの天才子役でした。

性格は天真爛漫であざといようで意外と毒舌。テレビでの経験からか割と物知りで肝も据わっていたりもします。

あと男です。本名は豪 正雄。好きなものは重機(恐らく父親が建設現場で働いていたため)。

この子の死因判明シーンってかなりギャグ調なんですよね。髭が生えたことによるショック死という。

でもその後のシーンを見ると、天才子役としてかなりのハードスケジュールによる疲労と、「TVの中の天才子役 星川リリィ」ばかり見るようになってしまった父親とのすれ違いによるストレスで、心身共に疲れ切っている描写がされていたんですよね。ちなみに現実での過労死はほとんどが心疾患だそうです。

そんなことがあり、リリィの父親は大好きだったTVを見ることが出来なくなってしまいました。息子の死に直結するものですからね。

そしてリリィはゾンビになったことをばらすわけにもいかず、あくまでもアイドル[ゾンビィ6号]として、父親に向けたメッセージソングを作ることにするんですね。アニメ8話のお話です。

どうにか父親をライブに来るよう誘導し、ライブ当日に歌った曲は「To my Dearest」感謝とお別れの歌でした。

この歌とライブ中に6号が観客に向けて言った「これからテレビにいっぱい出られるように頑張るから、テレビの前で笑顔になってくれると嬉しいな」という言葉が、後悔から立ち直れないでいたリリィの父親を救うことになるんですね~~

このシーンはリリィの父親の男泣きと、家族の過去の回想が合わさって本当に涙なしでは見られません。なんなら今思い返して泣きそうになってます。

天使に性別なんて関係ないよな!!

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次に源さくらですね。最終盤で一気に最推しになってしまいました。

享年17歳の高校二年生で、赤い長髪を二色のリボンでサイドテールのような形に結っているのと、反対側のちょこんと跳ねた髪が特徴で、正統派ヒロインっぽい見た目をしています。あと実は158cmでスリーサイズ88/59/90のFカップとかいうどすけべぼでぃ~してる。

口調は唐津弁(かわいい)で、困ったときに「どやんす どやんす~」と焦るのが定番(かわいい)。

性格はまともで苦労人気質(たまにキレる)。アイドルものとしては割と主人公としてありがちな、まじめにアイドル活動に取り組んで頑張る子。

……だったのは10話までで、11話でその印象は大きく変わりました。

11話で失っていた生前の記憶を取り戻すのと同時に、ゾンビとしての記憶を失い、生前の源さくらの性格が表に出てくると超ネガティブ!私は「持ってない」から頑張っても無駄だとライブへの参加を諦めるような子になってしまうのでした。

というのもさくらは小さい頃から、演技も運動も勉強も、人の何倍も努力して優れた能力を身に着けても、毎回本番でアクシデントに見舞われて失敗する、という経験を何度も繰り返していて、努力が絶対に報われない人生を送っていたんですね。

何もかもうまくいかず、全部無駄だと諦めかけたところに、TVで生前の[ゾンビィ3号]こと水野愛のインタビューを見て、その失敗や後悔を恐れない強さに憧れて、最後にもう一度だけ頑張ってみよう、とアイドルを目指すも、その一歩を踏み出そうとしたところで事故死する、という結末になってしまった。

能力も才能も優れているのに、運だけを「持ってない」ただそれだけで全てを失敗し続けてきて、挙句の果てに命まで落としてしまった神に見放されたレベルに不運の子です。

そんなネガティブさくらも、巽プロデューサーの「お前が『持って』なくても俺が『持って』りゃええんじゃい!」という言葉や他の仲間たちの励まし、そしてかつて憧れた水野愛本人から当時自分を奮い立たせた言葉を聞き、ライブに出る決意をして迎えたアニメ最終話のライブ。ここで前述した一番好きな楽曲「ヨミガエレ」のライブシーンとなるわけですよ!

豪雪によりライブ中にステージが崩落し、とてもライブを続けられるような状態ではなくなり諦めかけたとき、『持ってる』巽が手拍子を始め、それに呼応するように仲間たちが立ち上がってアカペラで歌いだすシーン、最高に好きです。

 

何度でも 何度でも 立ち上がれ

諦めなければ 終わりは始まりへ変わる

残酷で理不尽でも負けないで

立ち止まった日々に 笑顔で手を振り

新しい夢を見よう

 

ここまで歌って仲間たちは、さくらが立ち上がって歌いだすことを信じて待機ポーズを取るんですが、ここの信頼しきった表情がね~~~いいんですよね~~~

 

ところでゾンビランドサガにおける楽曲は、基本的に全て巽プロデューサーが作詞作曲している設定となっています。そう思うとここのアカペラ部分の歌詞めちゃくちゃアツくないですか!?さくらの報われない一生を知っている巽からのエールじゃんこの曲…

 

そしてこれを受けたさくらは立ち上がって歌いだすんですね~~~ゾンビになってからの成功した記憶をこの時点では取り戻してなくて、生まれてからただの一度も成功の経験がない状態の源さくらがですよ!

この後観客の歓声の中に、ゾンビになってからの記憶が、仲間たちとの思いでが、失敗を無理やり成功に変えてきた経験が、フラッシュバックして蘇ってからのさくらの表情のかっこよさたるや…普段ほんわか笑顔で歌ってるのになんだその力強い眼差し…

普段のこれが

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これですよ

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「ヨミガエレ」のかっこいい振り付けとその表情に心持ってかれましたよね。

ラスサビ前のかっこよすぎる振り付けからのさくらアップでの長尺歌唱シーン最高すぎる…

歌い終わったあとに歓声に交じって巽が泣きそうな声で叫んでるのも最高…

 

ということでね!神に見放されてるほど「持ってない」源さくらも、不死性を得たゾンビとしてならその運命に抗えるって話なんですね!

 

想定の2倍くらい長い記事になりましたが、ストーリー、キャラクター、楽曲、作画、演出、何もかも最高のアニメでした!Yes! You can do it!

 

ゾンビランドサガはいいぞおじさんより。