令和8年の今、毎日SNSでタイムラインを眺めている人間が最も美味しく味わえるゲーム「ミカクテイ事件の観測者」の紹介記事です。

Steamで定価\1,300円!クリアまでにかかった時間は8時間!
SNSを舞台として、ネット探偵を自称する主人公が、<アクマ>と定義された超能力者が引き起こした怪事件の真相を暴く推理ADV。
推理ADVというジャンル都合から、極力ネタバレを踏まずにプレイしてもらいたいので、簡潔な記事としたい。そのため本作の魅力を3つに絞ろう。
①異常なほど高い解像度のSNS描写
②タイムラインを読み進めることで自然と進む推理と没入感
③エンディングを迎えた後の抜群の読了感
相棒である<アクマ>「箱内にゃすてりあ」や、二人のAI「ヨウコさん」と「エレコ」とのやり取りなどもとても微笑ましいが、そこは実際にプレイして体験してもらいたい。

①異常なほど高い解像度のSNS描写

本作の主人公は「ネット探偵」を自称しており、舞台はTwitter(自称:X)のようなSNS「パロッター」のタイムラインとなる。
相棒であるAI達が事件に関連するパロート(ツイートのようなもの)を集めてタイムラインを形成してくれて、その中からアカウントを人物に紐づけることで事件の関係者に迫るのだが、このSNSへの解像度がとんでもなく高い。
今Twitterで毎日タイムラインを眺めている諸兄にとって、あまりにも見慣れた光景が飛び込んでくる。


短文小説を投稿するアカウントとそれに付随するクソリプや、VRChatユーザーの写真付き投稿等を一例とし、男女論やお気持ちツイート等の闇の部分まで、「SNSあるある」が飛び交っている。
事件の関連ワードが学生を対象とする章においては、学生達のくだらないやり取りや恋愛事情が見えるといったように、形成されたタイムライン毎に合わせた「あるある」が出てくるため、特定界隈に限らない解像度の高さにも驚かされる。
この昨今のSNSへの異常なまでの再現度の高さは、読んでいて面白いのと同時に、このゲームへの没入感も高めてくれている。
記事冒頭にも書いたが、この感覚を最も強く感じられるのは今まさにSNSのタイムラインを毎日追っている人間なので、今が旬!のゲームと言えるだろう。もちろん旬を過ぎても美味しくいただけるゲームであることに間違いはないが。
局所実在性論のエロ釣り説明動画に対してのコメントやかましすぎて好き。

②タイムラインを読み進めることで自然と進む推理と没入感

本作は推理ADVであるが、難易度としてはそれほど高くはない。
登場人物の表アカウントと裏アカウントを、タイムラインの文章と相棒の「にゃすてりあ」の能力でわかる投稿の真意から推理し、人物に当てはめていくことになる。
その際、人物毎に正解判定がされる上、1度使った選択肢の再利用は無いため、わからない分は消去法でも推理ができる。
が、大半はタイムラインをしっかり読み進めることで自然と推理が進むため、全体的に納得感を持って推理の答えにたどり着くことができるようなつくりになっている。
推理の舞台がSNSのタイムラインである都合、文章の読み返しが容易で時系列もわかりやすい。前述のSNSへの解像度の高さから、「こういうの書くやつはこんくらいの年齢だろ」みたいな推測ができる部分があったりするのも本作ならではの面白さだ。
更に本作特有の<アクマ>や超能力の類は、主人公達以外の一般人には出回っていない事象のため、各種投稿に作品特有の知らない言葉が入ってこない。作品にファンタジー要素を混ぜ込みながらも、それが推理の邪魔にならないポジションに落とし込まれている。
そして推理には「タイムラインをしっかり読むこと」と「ユーザープロフィールを覗くこと」が求められる都合から、登場人物への解像度が自然と高まるのはとても良くできている。
表アカウント、裏アカウント、投稿の真意が見えることで、顔もセリフも無い人物達の人物像が想像できるようになっているのが面白い。

アカウント特定ができると、どういう要素から特定に至ったかの答え合わせを主人公が語ってくれる他、にゃすてりあやAI二人のコメントが挟まる。
特にAI「エレコ」はズバっと厳しいコメントをしてくるので、闇のSNS要素へのツッコミがちゃんと入るのも良い。
③エンディングを迎えた後の抜群の読了感

何も語るまい。やって感じてくれ。この読了感を。
俺はこれを感じるためにこのゲームをやっていた。そう思えるはずだ。
最後に一つだけネタバレを白文字で書かせてくれ。
エンドロールが本当に最高で全部良かったんだけど、蛇柳ふりむの投稿でちょっとうるっと来ちゃった。
ご都合主義と言われようとBADを見せられた後のHAPPYは良いもんだよやっぱ。