あとぶろ

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ファイアーエムブレム風花雪月の感想

このブログを作ろうと思い立った理由のゲームの感想記事です。

かなり長いです。小学校6年分の読書感想文より長い。

 

2019年7月にニンテンドーswitchで発売された、ファイアーエムブレムのシリーズ最新作となります。

※ルート分岐がある都合、非常にプレイヤー毎に解釈が割れやすいゲームだと思っています。

 あくまでも個人の感想として読んでいただければ幸いです。

 

まずこのゲームの評価から(最高★6つ)

■シナリオ   …★★★★★★

■BGM    …★★★★★★

■キャラクター …★★★★★☆

■システム・UI…★★★★☆☆

■グラフィック …★★★☆☆☆

■ゲームバランス…★★★☆☆☆

■ボリューム  …★★★★★★

 

 

■シナリオについて

物語のあらすじとしては、父親と共に傭兵をしていた主人公が、とある事件をきっかけに士官学校の生徒たちを導く教師になり、三学級から一つを選び、その学級の生徒たちと共に様々な出来事を体験していく、というもの。

このゲームの大きな特徴として、士官学校での出来事は「第一部」であり、第一部の最後に主人公は生死不明の行方不明となり、5年の時が経過した第二部が始まる、という構成となっています。

 

 

ここからは物語のネタバレが多くなりますが、第一部最後に一人の生徒が中心となり大陸全土を巻き込む戦争を起こし、第二部ではその戦火が広がったところから始まります。

この第二部がまぁ~~~重い!なんと言っても戦争を起こしたのは生徒の一人です。当然その生徒に反発するもの、付き従うもの、自分の使命を果たそうとするもの…と、戦争の中で生徒達が分かれることになるわけですからね。

具体的には第一部で選ぶこととなる三学級は原則、生徒の出身地ごとに分かれているため、第二部での生徒たちはその三学級それぞれの国に所属して戦争に参加することとなります。

 

第一部でも様々な出来事があり、初めて人の命を奪う重みを味わうことになったり、身近な人間の死や不穏な事件が起きたりするのですが、まだ生徒たちは子供であり、どこか楽観視していたり、他人任せであったり、自分や他人の死の実感があまり沸いていないセリフがあったりします。

しかしこの第二部に於いては、戦争が始まってから5年の時が流れたことで、「目の前の相手と命のやり取りをしている」ことを強く意識したセリフがとても多くなるんですね。 (例)とあるキャラの戦闘勝利セリフ 第一部「おととい来やがれ!」 第二部「お互い、覚悟の上だろ。」

声優さんの演技も第一部と第二部でしっかり演じ分けていて、同じようなセリフでも第二部では言葉の重みが全く異なるものになっています。

加えてかつての旧友との戦闘時には特殊会話が発生し、互いの想いをぶつけた上で命の奪い合いをするんですね。

 

何が言いたいかというと、この作品は「戦争の残酷さ」をシナリオだけでなく、キャラのセリフや態度、特殊会話等、様々な面から描いているんです。

更に主人公がどこの学級に所属するかによりルート分岐するため、それぞれの視点からその戦争の残酷さを見ることができる。

私はファイアーエムブレムシリーズをGBA封印の剣からやっていますが、命の奪い合いの重さを最も表現している作品は本作であると断言できます。(ほかの作品が軽いとは言いませんが)

 

実をいうと私はファイアーエムブレムのシナリオやキャラクターは今までGBA三部作とGC蒼炎(暁未プレイ)が非常に好きだったのが、覚醒・ifで「方向性変わったか?」と感じ、少しシリーズへの不安を抱いていたんですね。そこにエコーズが来て「これはいけるやん!」となり、風花雪月では完全に不安が消え去りました。

正直「昔の作品しか認められない老害オタクになってしまったのではないか」という不安を払拭してくれた点においても、風花雪月に感謝の念が強いですね。

 

 

■BGMについて

シナリオの話ばかりしましたが、このゲームは非常にBGMが素晴らしい作品です。特に戦闘BGMは神曲揃いで、心に残るものばかりになっています。

ここで上げ始めたら戦闘曲全部の話をしそうなので一曲だけ、第二部の戦闘BGM「野望の地平」について。

この曲は第二部の通常戦闘BGMとなるため、ボスや因縁の相手等の特別な曲ではありません。

しかし第二部突入時、初めての戦闘開始時に流れるこの曲はほんっっっっとうに心に残りました…

私は初回プレイ時に青獅子の学級を選び、第二部は蒼月の章となったのですが、級長のディミトリの何もかも失って変わり果てた姿、学生時代にした約束の通り駆けつけてくる成長したかつての生徒達、前述した各キャラクターの重みのあるセリフ…「野望の地平」はそれらを彩るに相応しい、重厚で勇ましくもどこか物悲しい曲調で、色々相乗効果で感極まってしまい、泣きながらプレイしてました…

他にも紅花の章および蒼月の章の終章BGM「この世界の頂で」もとても好きです。ラスボス戦で流れるメインテーマのアレンジはありきたりだけど、シナリオの重さや級長の因縁を思って心震えちゃう。

 

 

■キャラクターについて

本作はキャラクターの掘下げが非常によくできていると思います。まず前述したセリフの変化もそうですが、今作はフルボイスであるにも関わらず、セリフの量が非常に多いです。従来作にもあった支援会話に加えて、戦闘会話、毎話変化する拠点会話など、キャラクターが喋る機会が従来作と比べものにならないほど多い。声優の演技も相まって、セリフが多いほどキャラクターへの理解はどんどん深まります。

それに加えて各会話の節々から、そのキャラクターの性格や好みだけでなく、過去の出来事や、他キャラクターとの関係や因縁が垣間見れることが多く、会話を見れば見るほど理解が深まっていきます。

 

私は覚醒とifを作品として嫌ってはいませんし、ゲームとして楽しんだつもりですが、シナリオとキャラクターに関しては不満が大きかったんですよね。

特にキャラクターについては、男性キャラは女性受け、女性キャラは男性受けしやすいキャラ付けをかなり意識していたように思います。

それもあって、両作品において好きな同性キャラクターは非常に極少数となりました。

 

それと比較すると、風花雪月では性別問わず非常に多くのキャラクターに好感を抱き、感情移入することができたため、とても満足しています。

キャラクターを好きになれるか否かは、ゲームの楽しさに直結しますからね。

 

特に好きなキャラクターは、男性ではディミトリ・フェリクス・カスパルで、女性ではヒルダ・リシテア・ソティスかな。

 

 

■システム・グラフィック・ゲームバランス・ボリュームについて

各キャラクターに得意武器が設定されているものの、育成次第で自分の好きな武器を持たせ、好きなクラスにさせることができるのは非常に面白かったのですが、当然キャラクター毎に伸びやすいステータスは決まっていますし、ゲームバランスの面で使いやすい武器やクラス、性別限定クラス等があり、普通にプレイする上ではそこまで自由度は高くないかな~と感じました。特に性別限定クラスと、重要ステータスの成長率にマイナス補正が入るクラスはもう少し何とかならなかったのか…

ただし、強さや使い勝手を妥協すれば、結構好きに育成できるシステムにはなっています。私は好きなキャラには活躍してほしいので、分岐4ルートやっても好きなキャラはみんな似たような育成方針になってしまいましたね。

三すくみ(剣→斧→槍→剣)等の武器相性が無くなったのも、特定武器やクラスが強くなっている要因だと思います。

 

あと従来作にあった敵キャラクターを説得して仲間にしたり、町を訪問して仲間が加入するシステムが無くなったのは非常に残念でした。士官学校で登場したキャラクターしか仲間にならないので、その辺りのワクワク感が無いのは惜しいですね。ランドルフ将軍とその妹とか仲間にするルートあっても良くない!?

 

後はグラフィックについて、シリーズとしてはかなり良かったとは思うけれど、やはり他ゲームと比べると3Dグラフィックがあまり可愛くなかったり、戦闘モーションの種類が少なめであったりと、少し惜しいな~という気持ちがあります。(好きなモーションはいくつかあるけど。ディミトリの回避後ぐるぐるたたきつけとか)

懐古したいわけではないけど、戦闘モーションはGBA作品がシリーズで一番かっこいいと思ってます。あと蒼炎の天空はまじで天才。

 

ボリュームは語るまでもないですが、初回周は80時間ほどかかりましたし、二周目以降も新規ボイス聞いたり外伝とかやってると50時間はかかる上、DLCまであるので、相当長時間遊べると思います。

ただし、周回プレイの際、第一部は内容がかなり被る(会話内容は異なるけれど)都合、乗り切るのに少し気合がいるかもしれない。

 

 

DLCについて

有料追加DLCとして煤闇の章があるんですが、これはDLCアレルギー無ければ是非ともやってほしいです。

難易度ハードにおいて上記のゲームバランス等の不満がほとんど無く、各参戦キャラみんなに役割がある上、スキルによる疑似的な三すくみシステムの復活もあり、程よく手ごわいシミュレーションが楽しめます。

シナリオや追加キャラクターも魅力的で、このDLCをプレイすることで、本編でも追加キャラクターを仲間に加入させることができるようになり、そちらでは5年後の姿やセリフもしっかり準備されているため、本編の周回にマンネリを感じて本作を放置してしまった人にもおすすめ。

 

 

■その他つらつらと

私は本作において、ディミトリとエーデルガルトの関係が一番好きです。

幼い頃に出会い、互いの初恋の相手でもあったが、物語の黒幕の思惑やすれ違いにより、決して相容れない思想になってしまった二人であり、この二人の互いの正義のぶつかり合いこそが、本作の戦争の一番の見どころだと思います。

どちらかのやり方が間違っているのかもしれないけれど、正義と相対するのはもう一つの正義であることに間違いはないっていう話ですね。

エーデルガルトは幼い頃ディミトリにもらった短剣とその時の言葉を胸に、どんなに辛い境遇でも折れずに自分の理想実現のために戦ってきて、その果てに立ちはだかる相手がそのディミトリ本人だなんて、悲しい少女にもほどがあるってもんです。

この二人の誤解を解いて、本当に憎むべき黒幕を倒すために共闘できる世界があればどんなに良かったか…

 

それからヒルダもめっちゃくちゃ好きです!!実は本作発売前のCMで、クロードが「死ぬまで戦うとか…らしくないだろ!!」っていうセリフを言うシーンがあったんですが、当時から「もしこのセリフがものぐさでおねだりばかりのヒルダに対して言っていたら絶対好きになっちゃうな~」とか言ってたんですよね。

まさかね、その予想完全に的中するとは思わないじゃんね。

そもそもこのヒルダとかいう女は確かに面倒なことは人任せで、うまいこと人にやってもらおうとしてばかりいるんですが、その実 本人の能力は非常に優秀で、本当に困ってる人やうまくできない人を見ると全部自分で代わりにやったり助けたりしてしまう子なんですよね。

特に女性キャラとの支援会話では顕著で、面倒くさがりなのに面倒見が良いとかいうキャラがどんどん見えてくるんですよね~~オタクが好きなやつ~~~

そんなわけで、第二部の戦争編においては、ルートによってはクロードを守るためにその命を散らすまで戦うことになるわけですが、その時のセリフが本当にかっこよくて、「クロードくん、楽しかったよ…ありがと…お先にぃ…」とか満足げに死んでくんですよ…お前誰かのために命を懸けるなんて絶対にごめんだって言ってたじゃんか…なんで逃げないんだよ…!ってなっちゃいますよこんなん。すきです。

 

 

■最後に

他にも語りたいエピソードはたくさんあるんですが、キリが無いのでこの辺にしておきます。

ちなみに私のルート攻略順は蒼月→紅花→翠風→煤闇→銀雪です。蒼月のあとに紅花やるのおすすめですよ。心ぼろぼろになります。

とにかくシナリオとBGMとキャラクターが最高に良い!SRPGとしてもなかなか面白い!っていうゲームです。

鬱ゲーってのとは少し違いますが、決してハッピーエンドにはならない物語が好きな人は絶対に好きだと思います。

こういうね、心が抉られるシナリオがね、好きなんですね。関係ないけどドラクエ7とか心削れていいですよ。

 

本当に心に刺さって残る良いゲームでした!次回作のハードル上がっちゃってるけどまたがんばってくれ~~

みんなもファイアーエムブレム風花雪月はいいぞおじさんに、なろう!!